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血圧が高いといわれたら

健康診断や人間ドックなどで血圧を測定したら基準値より高かった・・・。

こんな経験をされた方はいらっしゃいませんか。
1回の血圧測定で血圧が高かったからといって、必ずしも高血圧だとは限りません。血圧は運動や精神面、食事、気温などさまざまな影響を受けやすく、常に変動しています。家庭で起床時や朝食前、就寝前など時間を決め、定期的に血圧を測定しましょう。

血圧は世界共通の決まりで、一般的に座って測ります。この際、数分間の安静ののち、大きく何回か深呼吸をしてから測定するようにして下さい。これで血圧が135/85mmHg以上の場合は高血圧の可能性が高いと考えられますので、すぐに当科のような腎・高血圧内科や循環器内科などの医療機関を受診しましょう。

高血圧が長い間持続すると全身の動脈硬化が進行し、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患、心筋梗塞、狭心症や心不全などの心臓病、ネフローゼ症候群や尿毒症などの腎臓病、頚動脈狭窄や下肢閉塞性動脈硬化症、大動脈解離などの血管病、高血圧性網膜症などの眼の病気を引き起こす原因となります。高血圧をそのまま放置することなく、できるだけ早く上記医療機関期を受診のうえ精密検査、治療を開始することが大切です。

高血圧の原因

腎臓や副腎などの病気が原因でおこる二次性高血圧と、原因がはっきりしない本態性高血圧とに大きく分けることができます。日本人の約90%は本態性高血圧といわれています。本態性高血圧は高血圧になりやすい遺伝的因子に加え、塩分の多い食事や飲酒、ストレス、肥満、運動不足、喫煙、寒冷といった環境因子により発症すると考えられています。

二次性高血圧の場合には高血圧の治療と並行して元の病気の治療が行われますが、本態性高血圧の場合には高血圧の治療に加え減塩などの食生活や運動など、日常の生活習慣への指導が重要となります。

血圧の変動からみた高血圧の分類

血圧の変動の違いにより、高血圧は以下の3つに分類することができます。もし高血圧と診断されたら、自分がどのタイプに属するか家庭で血圧を測定し調べましょう。

  1. 日中型:高血圧患者様の約半数を占め、最も頻度の高いタイプです。昼から夕方にかけての日中の時間帯に血圧が上昇します。

  2. 早朝型:朝の血圧が高い状態をいいます。夜間の睡眠から目覚めた直後に血圧を上昇させるホルモンが増え、これにより血圧が上昇します。これをモーニングサージと呼んでいます。血圧の急な上昇により脳卒中や心筋梗塞などを起こしやすいといわれており、厳重な血圧管理が必要となります。

  3. 夜間型:寝ている間は血圧が下がるのが通常ですが、血圧が下がらなかったり逆に上昇したりします。

白衣高血圧とは

ふだんは正常血圧なのに、診察室で医師が測定すると血圧が上昇して高血圧と診断されてしまう場合をいいます。診療室での血圧測定時の過度の緊張が原因と考えられ、通常積極的な治療の必要はありません。

仮面高血圧(逆白衣高血圧)とは

病院では正常血圧なのに、家庭で測定すると血圧が高い場合をいいます。通常、積極的な治療を必要とします。医師が気付きにくく適切な治療がなされない場合が多いため、家庭で測定した血圧の経過を医師に申告することが大切です。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大橋病院 腎臓内科

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