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招待講演

"Pathological Review of Young Adult with History of KD and Infliximab Treatment for KD" (J.C. Burns)

2009年2月12日 カリフォルニア大学小児科のJane C. Burns先生をお招きしました。

 川崎病の新療法(TNF-α抗体)などの研究の第1人者であるカリフォルニア大学小児科のJane C. Burns先生をお招きして、"Pathological Review of Young Adult with History of Kawasaki Disease and Infliximab Treatment for Kawasaki Disease"の題目で御講演を頂きました。
〔18:30~ 4階図書室〕
 会場には、国立成育医療センター研究所の阿部淳先生、同循環器科医師、東邦大学名誉教授 直江史郎先生、東邦大学医療センター大森病院 小児科 佐地勉先生など、錚々たる面々もお集まり頂き、また当院からは病理部をはじめ、循環器内科、小児科医師も参加し、熱気にあふれました。
 幼少時に川崎病に罹患した児が成人期に呼吸苦・体重増加・易疲労などの症状を呈した症例での心エコー・病理組織所見などより、成人期の症状と川崎病罹患との関連性について。また逆に、川崎病の「既往」がないにもかかわらず、成人期に呼吸苦・易疲労などの症状をきたした症例で、心臓カテーテル検査で冠動脈瘤を呈し、その病理組織所見・術中の肉眼的所見より川崎病の既往があった可能性の有無についての議論など、各科の視点をまじえて意見を交換しました。

 また、冠動脈壁のelastinを破壊するMMPなど分子レベルでの御研究にも言及されました。Burns先生はゆっくりと分かりやすくお話し頂き、スライドを見ながら、ところどころで直江先生や高橋先生の病理学的解説も加わり、充実した講演会でした。

 川崎病は幼少時に罹患する病気であるため、患者さんが成人期に達したとき、病気の内容を覚えていない可能性が高いので、内科で問診をとるときには御本人のみならず、その御両親からも既往歴(川崎病とその類縁疾患、…「非典型的な麻疹」「溶連菌感染症」など)の有無を聴取することが重要であるともおっしゃっていました。また、小児科医としては、入院中の症状・治療内容を母子手帳に記載したり、川崎病急性期カードをお渡しし、保存していただくことなど基本的な事柄が大切であると再認識しました。

 サンディエゴよりはるばるお越し頂きましたBurns先生、御主催いただきました当院病理部に深謝いたします。(山口佳)

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大橋病院 小児科

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