きみのみらいのえがおのために

よくあるご質問・川崎病編(二瓶 浩一講師)

川崎病とはどんな病気ですか?

 川崎病は川崎富作先生が1960年代に初めてご報告された病気で神奈川県の川崎市とは関係ありません。乳幼児に多くかかる病気で、まだ原因は判っておりませんが感染症が疑われています。次の6つの症状が川崎病の主な症状です。①発熱、②目の充血、③くちびるや舌の発赤、④首のリンパ節の腫れ、⑤発疹、⑥手足の発赤や腫れ、その後の皮むけ、あとBCG接種部位が赤くなる事も多いのですが、これは乳幼児のみに見られます。自然の経過でもこれらの症状は良くなりますが、3割前後の患者さんに心臓の特に冠動脈に後遺症を残す事が問題となります。
川崎病の症状
*くちびるの発赤、ひびわれやかさぶたを作る事もあります。

川崎病の症状
*熱が下がった頃に指先の爪と皮膚の境目から、薄くはがれるような感じで皮がむける(膜様落屑:「まくようらくせつ」と読みます)

ご近所のお友達が川崎病で入院したそうです。どのくらい多くの方がかかるのでしょうか? うつりませんか?

 川崎病の患者数は2年に一度、全国調査が行われており年間約1万2千人の方がかかっており、ここ10数年徐々に増えています。近所のお友達がこの病気などと聞くとうちの子はと心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?答えになるかわかりませんが、入院中に同室の子供がこの病気を発症したという話はないようです。ですからどこの病院でも、隔離での入院は一般にいたしません。ただし川崎病患者さんの兄弟姉妹が川崎病にかかる頻度は1~2%あり、それも数日以内に発病している事が時々あり全く感染しないとは断言できません。

どんな治療をするのでしょうか?

 原因が不明なので根本治療はありません。しかし幸いな事にこれまでの多くの諸先輩方の研究から、心後遺症の頻度を低下させる治療法が知られるようになりました。飲み薬としてアスピリンが多くの場合投与されます。これだけで良くなる方もいらっしゃいますが、大部分の方はガンマグロブリンという献血した血液から精製されるお薬を点滴で使用し効果をあげています。しかし一部の方はこのお薬のみで病気の勢いを押さえきれず、そのような場合はいくつかの治療法が提唱されておりますが、決め手に欠けているのが現状であり心後遺症の可能性も高くなってきます。当院では症状や検査結果の細かな変動を参考に各種治療を組み合わせて行う事により、心後遺症予防対策に成果を上げています。

「The Specialists」平成23年1月発行分(PDF)  講師 二瓶 浩一

退院してからはどうなりますか?

 心臓に後遺症が残ったかどうかで違ってきます。後遺症を残さなかった場合は、アスピリンを退院後2〜3か月内服していただきお薬は終了です。当科の場合はこの間1か月ごとに受診していただき、その後は3か月後、半年後、以降1年ごとの受診を罹患後5年間お勧めしております。長期的な予後は未だ不明な点もあるため、その後もご家族の方や本人の希望を参考に受診していただいております。
 心臓に後遺症を残した場合は定期的な受診が必要になり、薬の内服や運動の制限などを要する場合もあります。