臨床情報・検体の研究利用に関するお知らせ

患者さんへ  〜臨床情報・検体の研究利用に関するお知らせ〜

『研究課題名 血液透析が周術期血液粘弾性試験に及ぼす影響の解析:非血液透析患者との後方視的比較』

【研究の目的】複雑な手術では相当量の出血を伴う場合があります。出血に対しては血小板濃厚液、新鮮凍結血漿といった献血に由来する血液製剤を投与し、止血機能の回復を目指します。この際に血液凝固機能の結果にもとづいて血液製剤を選択することによって血液製剤の投与量を減らしつつ出血を止めることが可能であるとされており、東邦大学医療センター大橋病院麻酔科でも出血の可能性が高い複雑な手術をうける患者さんでは手術前後に血液凝固機能検査を行い、万全を期しています。このような管理をうけられた患者さんの中には血液透析で治療をしながら手術をうけた患者さんが相当数含まれています。血液透析で治療をしておられる患者さんでは腎機能が正常な患者さんと比較して凝固機能検査の結果が異なると報告されており、手術を受ける患者さんでも同様の変化が生じるかどうかが明らかになれば、血液透析を受ける患者さんが安全に手術をうけられることに貢献しうるのではないかと考えて本研究を計画しました。
この研究で得られる成果は、血液透析を受けながら手術をうける患者さんで手術中の出血量を減らすことにつながります。

【研究対象および方法】

この研究は、東邦大学医療センター大橋病院倫理委員会の承認を得て実施するものです。
2014年10月~2019年10月までに東邦大学医療センター大橋病院において手術をうけられた患者さんのうち、手術中に大きな出血が生じる可能性があり、標準的な麻酔管理の一環として血液凝固系の検査が行われた患者さんから得られたデータを解析して行う研究です。対象となる患者さんのうち慢性腎不全で透析治療を受けておられた患者さんと腎臓に障害のない患者さんのデータを比較することによって透析治療が手術中の止血機能に及ぼす影響を明らかにするとともに透析治療を受けておられる患者さんに対する血液製剤投与の適正化に貢献し得ると考えております。
今回の研究で得られた成果を、医学的な専門学会や専門雑誌等で報告することがありますが、個人を特定できるような情報が外部に漏れることは一切ありません。

本研究に関してご質問のある方、診療情報等を研究に利用することを承諾されない方は、下記までご連絡下さい。

【連絡先および担当者】

東邦大学医療センター大橋病院麻酔科
教授・小竹良文
電話 03-3468-1251 内線 7607