教育・研修
外科専門研修について
1) 外科専門医は初期臨床研修修了後、3年の専門研修で育成されます。
- 3年間の専門研修期間中、基幹施設または連携施設で最低 6カ月以上の研修を行います。
- 専門研修の 3年間の 1年目、2年目、3年目には、それぞれ医師に求められる基本的診療能力・態度(コアコンピテンシー)と外科専門研修プログラム整備基準にもとづいた外科専門医に求められる知識・技術の習得目標を設定し、その年度の終わりに達成度を評価して、基本から応用へ、さらに専門医としての実力をつけていくように配慮します。具体的な評価方法は後の項目で示します。
- 専門研修期間中に大学院へ進むことも可能です。大学院コースを選択して臨床に従事しながら臨床研究を進めるのであればその期間は専門研修期間として扱われます。
- サブスペシャリティ領域によっては外科専門研修を修了し、外科専門医資格を習得した年の年度初めに遡ってサブスペシャリティ領域専門研修の開始と認める場合があります。
- 研修プログラムの修了判定には規定の経験症例数が必要です(専攻医研修マニュアル-経験目標2-を参照)。
- 初期臨床研修期間中に外科専門研修期間施設ないし連携施設で経験した症例(NCDに登録されていることが必須)は、研修プログラム統括責任者が承認した症例に限定して、手術症例数に加算することができます(外科専門研修プログラム整備基準2. 3. 3参照)。
2) 年次毎の専門研修計画
- 専攻医の研修は、毎年の達成目標と達成度を評価しながら進められます。以下に年次毎の研修内容・習得目標の目安を示します。なお,習得すべき専門知識や技能は専攻医研修マニュアルを参照してください。
- 専門研修1年目では、基本的診察能力および外科基本的知識と技能の習得を目標とします。専攻医は定期的に開催されるカンファレンスや症例検討会、抄読会、院内主催セミナーの参加、e-learningや書籍や論文などの通読、日本外科学会が用意しているビデオライブラリーなどを通して自らも専門知識・技能の習得を図ります。
- 専門研修2年目では、基本的診断能力の向上に加えて、外科基本的知識・技能を実際の診断・治療へ応用する力量を養うことを目標とします。専攻医はさらに学会・研究会への参加などを通して専門知識・技能の習得を図ります。
- 専門研修3年目では、チーム医療において責任を持って診療に当たり、後進の指導にも参画し、リーダーシップを発揮して、外科の実践的知識・技能の習得により様々な外科疾患へ対応する力量を養うことを目標とします。カリキュラムを習得したと認められる専攻医には、積極的にサブスペシャリティ領域専門医習得に向けた技能研修へ進みます。
下図に東邦大学医療センター大橋病院外科専門研修プログラムの1例を示します。
専門研修1年次は基幹施設を基本とした各臓器別のローテーション(上部消化管外科,下部消化管外科、肝胆膵外科、呼吸器外科、乳腺外科、心臓血管外科)を3か月間交代で行います。
当基幹施設の特色としては、上記臓器専門研修を行うと同時にcommon disease症例も同時に比較的多く経験できることが挙げられます。これにより専門研修1年次よりcommon disease症例の術者も多く経験できると思われます。
2年次、3年次の間に地域医療として最低6か月間の連携施設における地域医療は必須となります。
その他の研修プログラムに関しては、経験症例数,術者数,希望するサブスペシャリティに準じて個別に研修スケジュールを相談し、各専門研修医にあった研修プログラムを組んでいくことになります。
特に3年次降では、より円滑にサブスペシャルティ領域に移行できるよう研修プログラムの作成を行っていきます。
専門研修プログラム終了後の4年目以降はサブスペシャリティ領域の研修は同様に基幹施設,連携施設のいずれかで行います。また,大学院コースを希望する専門研修医に関しては3年次の後半から研究課程に進むことも可能です。
いずれにおいても専門研修プログラム統括責任者,プログラム作成担当者と密に連携をとり、各専門研修医に最も適したプログラム作成に心掛けていきたいと思っています。
東邦大学医療センター大橋病院外科専門研修プログラムでの3年間の施設群ローテートにおける研修内容と予想される経験症例数を下記に示します。
どのコースであっても内容と経験症例数に隔たり、不公平がないように十分配慮します。
東邦大学医療センター大橋病院外科専門研修プログラムの研修期間は3年間としていますが、習得が不十分な場合は習得できるまで期間を延長することができます(未修了)。
一方で、カリキュラムの技能を習得したと認められた専攻医には、積極的にサブスペシャリティ領域専門医取得に向けた技能教育を開始し、また大学院進学希望者には、臨床研修と平行して研究を開始することができます。
- 専門研修1年次
東邦大学医療センター大橋病院で下記の研修を行います。
一般外科・救急・消化器・心血管・呼吸器・小児・乳腺内分泌
経験症例300例以上(術者50例以上) - 専門研修2年次~3年次
最低6か月間の地域医療は必須となります。その他の研修に関しては、経験症例数、術者数、希望するサブスペシャリティに準じて、個別に研修プログラムを作成し基幹施設、連携施設群(栃木県立がんセンター、さんむ医療センター、寺田病院、清智会記念病院、東邦鎌ヶ谷病院、東邦大学医療センター大森病院,小田原循環器病院など)での研修を行います。一般外科・救急・消化器・心血管・呼吸器・小児・乳腺内分泌
経験症例300例以上(術者100例以上)
(サブスペシャリティ領域などの専門医連動コース)
東邦大学医療センター大橋病院でサブスペシャルティ領域(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科,乳腺・内分泌外科)またはそれに準じた外科関連領域の専門研修を開始します。
(大学院コース)
大学院に進学し、臨床研究または学術研究・基礎研究を開始します。ただし、研究専任となる基礎研究は6か月以内とします。
3) 研修の週間計画および年間計画
基幹施設(東邦大学医療センター大橋病院)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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7:00-8:30 全体症例カンファレンス | ○ | ||||||
7:00-7:30 抄読会・勉強会(水:肝胆膵、木:消化管) | ○ | ○ | |||||
7:30-8:30 肝胆膵内科外科カンファレンス | ○ | ||||||
7:15-8:30 消化管症例カンファレンス | |||||||
7:30-8:30 教授回診 | ○ | ||||||
9:00- 手術 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
9:00-17:00 病棟業務 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
17:30-18:30 肝胆膵放射線診断合同カンファレンス | ○ | ||||||
17:30-18:30 消化管内科外科病理放射線合同カンファレンス | ○ | ||||||
17:30-18:30 呼吸器内科外科放射線科病理合同カンファレンス | ○ | ||||||
17:30-18:30 乳腺外科放射線科カンファレンス | ○ |
研修プログラムに関連した全体行事の年間スケジュール
月 | 全体行事予定 |
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11 |
日本臨床外科学会参加(発表) |
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