診療科挨拶

その時々の「患者さんのニーズに応える」ことが理念
先入観を捨てた先には、チャンスが多くある環境

脳神経内科【准教授】紺野 晋吾

患者さんに寄り添い、臨機応変に選択する治療

当科では「患者さんのニーズに応える」という部分に重きを置いて臨床業務に取り組んでいます。
特に神経難病の患者さんは長いお付き合いになることも多いですから、人生のステージごとに一緒に歩んでいくという考え方を柱としています。

ライフイベントに応じて刻々と変わる患者さんの要望を軽視することなく、その時その時でベストの治療を選択していきます。そのためにも、患者さんの話をよく聞き、様子を観察して、そこから病態を考えられるような、そういったことのできる医師を育成していきたいと考えています。

他科領域も学びながら、疾患を鑑別する醍醐味

脳神経内科は脳から脊髄、末梢神経、筋肉、筋肉と神経の接合部まで、神経系すべてを守備範囲としています。
その上、ほかの内科領域と重なる部分も多いですし、整形外科領域や耳鼻科領域とオーバーラップする症状に出会うことも珍しくありません。

その分、勉強しないといけないことは多くなりますが、症状の原因を見極めて治療を提供したり、該当する他科に紹介したりといった鑑別が十分にできるのは脳神経内科医だけではないでしょうか。そこにこそ臨床推論という、この診療科の醍醐味があると感じています。

若手が少ないからこそ、チャンスは多い

現在、医局にはベテランと中堅の医師が多く、若手は少ない状況です。
逆に言えば、指導する体制は整っていることになりますし、珍しい疾患を優先的に経験してもらうこともできますから、チャンスが多くある状況です。
重要疾患を多く診ることで、一人前の脳神経内科医になるまでの期間を少しだけ短縮してあげられる環境にあるのではないかと思っています。

また、自身の進路や専門分野の選択、出向先の関連病院なども、医局から「こうしなさい」と命令するのではなく、可能な限り希望に沿えるようにする方針を取っています。

難病ばかりが相手ではない。安心して第一歩を

神経疾患に難しいイメージを持つ先生も多くいることでしょう。それは、学生には国家試験という前提があるため、レアディジーズとコモンディジーズを同じウェイトで教えているからでしょう。実際には難しい病気ばかりを相手にしているわけではありません。

私が入局した当時は何も持たずにジャングルに入るような感覚でしたが、現在はガイドラインもあり、標準的な治療は私がやっても若手がやっても一定という時代です。

脳神経内科医はまだまだ数も多くありませんから、需要もあります。先入観による不安は忘れて、心配せずに踏み込んでもらいたいと思います。