各班の紹介

脊椎・脊髄班

脊椎脊髄の病気は自然経過で軽快する場合も数多くありますが、その反面、さまざまな治療に抵抗して進行する場合も少なくありません。症状が進めば進むほど、また、発症してからの時間が経過するほど、治療効果はあがらず、元に戻りにくい状態となる恐れがあります。早期診断、早期治療が重要です。

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上肢班

肩関節、肘関節、手・指関節を総合的に診察し、上肢を「運動器のひとつのユニット」として評価を行ったうえで、適切な治療方針を決定しています。このような方法をとることで、関節リウマチや糖尿病による上肢障害(バネ指、デュプイトレン拘縮、絞扼性神経障害、拘縮肩など)など上肢全体が罹患する疾病にも、より的確な治療を行うことができ、非常に有効です。手術療法では、 関節鏡下手術も肩・肘・手・指関節のすべてに導入しています。

さらに高齢化社会に向けて、当科オリジナルの人工肘関節や人工肩関節を開発し、臨床に応用しています。とくに人工肩関節置換術を施行している医療機関は全国でもまだ数少なく、当科は国内でもトップレベルの手術件数を有しています。

2014年4月より認可されたリバース型の人工肩関節を用いた手術にも対応しています。

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膝班

変形性膝関節症(内反膝・外反膝)に対する人工膝関節全置換術およびスポーツ障害・外傷(ケガ)の診断・治療を中心に行う外来です。

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股関節班

変形性股関節症、発育性股関節形成不全、股関節唇損傷、FAI(大腿骨臼蓋インピンジメント)など、股関節の専門外来です。

変形性股関節症と発育性股関節形成不全は、患者さんの年齢や股関節の変形の程度によって、薬物療法や運動療法による保存療法、もしくは骨温存術(寛骨臼回転骨切り術など)や人工股関節置換術の手術療法など治療を行なっております。

股関節唇損傷とFAIは、股関節鏡による唇縫合術、関節形成術を行なっております。

人工股関節置換術は、国内で年間約10万件行われている手術です。当院では症例に応じて、従来の後方進入法と脱臼率が少なく関節可動の制限を設けない前方進入法を行なっております。筋間進入により筋損傷を最小限に抑えるMIS(Minimally Invasive Surgery:低侵襲手術法)を用い、手術時間は1時間程度で出血量も少なく、患者さんは術後1週間から2週間で杖歩行や独歩で退院しております。難易度の高い症例では、ナビゲーションを併用しております。

インプラントのゆるみやインプラント周囲骨折、感染症などに対する人工股関節再置換術にも対応しております。

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スポーツ関節鏡班

スポーツ障害・外傷(ケガ)の診療について

当院のスポーツ外来ではスポーツ愛好家からトップアスリートまで幅広く診察を行っており、競技レベルや種目などを考慮し、患者さんと相談しながら治療方針を決定しています。スポーツ選手は全身の機能維持やパフォーマンスの向上が不可欠のため、手術を行わない治療(保存的治療)を最優先としていますが、保存的治療を行っても治療が困難な場合や、大きなケガなどによって保存的治療が困難と判断した場合には手術治療を行います。手術は可能な限り、侵襲の少ない関節鏡を用いた鏡視下手術を行っております。
前十字靭帯再建術は年間約60件、半月板縫合術は年間約70件行っており、関節鏡下手術はのべ150件以上施行しています。
日本スポーツ協会認定のスポーツドクターが競技種目やポジションなどを考慮し、元々の競技レベルに復帰できるよう心がけて診療を行っています。

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骨軟部腫瘍班

主に骨軟部腫瘍を中心とする整形外科領域の腫瘍性疾患の診療を行う外来です。骨軟部腫瘍は、骨組織に発生する骨腫瘍と、筋肉、脂肪組織、皮下、結合組織、末梢神経などの軟部組織に発生する軟部腫瘍の2つに大きく分かれ、さらにそれぞれ良性と悪性のいずれかに分類されます。骨軟部の悪性腫瘍(がん)は他の臓器に比べて発生頻度は低いものの、その種類は多岐にわたっており、より専門性の高い診断・治療が求められます。

骨軟部腫瘍を専門とする当外来の中山隆之医師は、とくに初期診断のエキスパートとして評価されており、地域の医療機関から多くの患者さんをご紹介いただいています。患者さんの病態に応じてさらに的確な診断や適切な治療を行うため、がん研有明病院との緊密な連携体制も構築しています。

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足の外科班

足部・足関節は膝・股関節と比較して小さな関節面積で全体重を支えており、また足底は立位で外界と接する唯一の器官です。体重を支える強靭さ、どんな路面にも対応する柔軟さ、靴の小石を感じる繊細さを備えたヒトの足部・足関節ですが、整形外科診療において診断は容易ではありません。

患者さんの中には適切な診断を受けないまま我慢し、科学的な裏付けのない方法を試されている方もいらっしゃいます。近年、世間でも足に関する注目が高まり「podiatry」「足病」といった足を専門とするクリニックも増えています。しかし、歪み・オーバープロネーションといった病態のみで解決できる印象を与え、不正確な情報発信が懸念されます。当外来では歴史ある確立された治療から最新の医学、整形外科学に基づいた足の外科診療を患者さんに適応します。

当外来では足部・足関節(つま先から足首、いわゆる長靴に入る範囲)を専門的に診察します。足部・足関節の怪我、歩行時や運動時の痛み、特定の時間の痛みやしびれ、足の変形、疲れやすさ、腫れなどの症状を担当します。

靴・靴下を脱いで足底まで観察し、靴底とインソールのすり減り具合を含めて診察します。疼痛部位や不安定性を確認し、単純X線撮影では体重をかけた状態の足と必要に応じて下肢全体のアライメントを評価します。超音波検査を用いてリアルタイムに健常部と病変部を描出し患者さんの理解を深める診療を心がけています。

保存療法では義肢装具士と連携して病態に応じた装具を作成しますが、すべてが装具で治るわけではありません。患者さんの生活様式を含めてよく相談し、患者さん自身で靴・インソールを調整出来るように指導をします。また、体重や運動管理についても、長く良く足を使うため患者さんにご協力頂きます。

手術療法では目的を明確にし、数ある術式から最も適した方法を選択します。関節機能温存手術や関節鏡・内視鏡手術を積極的に行っています。

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