研究

研究の概要

大学病院でありながら、市中の急性期病院である特徴を生かして、普遍的なコモンディジーズから生命に関わる難治性疾患まで幅広い呼吸器疾患に対して臨床研究を展開しています。

閉塞性肺疾患(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患)

我が国の二大閉塞性肺疾患である気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診療に関しては、当院には呼気一酸化窒素(NO)測定装置や強制オシレーション法による呼吸抵抗測定装置が常備されており、院内検査部の精密肺機能検査と合わせて、最新の呼吸生理学的検査を行っています。重症喘息、喘息COPDオーバーラップ、成人慢性咳嗽の最も頻度の高い原因である咳喘息、真菌を原因として喘息を合併するアレルギー性呼吸器疾患であるアレルギー性気管支肺真菌症等に関して、呼吸生理学的検査と血清バイオマーカーを組み合わせて病態解明や治療効果予測を行っています。また、これら喘息、COPD、慢性咳嗽、アレルギー性気管支肺真菌症については我が国の学会の診療ガイドライン作成にも携わってきました。

感染症

感染症分野においては、世界に類を見ない高齢化社会である日本において、高齢者の肺炎は今後も増加してゆくと考えられます。肺炎については、抗菌薬治療に加えて、外来でのワクチンによる発症予防や、口腔ケア、リハビリ部門との協力による再発予防、医療連携による早期退院、自立支援なども力を入れています。肺MAC症を代表とする非結核性抗酸菌症も近年増加傾向の著しい呼吸器感染症であり、自然増悪因子の解析により、早期に抗菌治療を開始すべき症例の臨床像を明らかにする臨床研究を行っています。

悪性腫瘍

現病院では高精度定位照射が可能な放射線治療装置に加え、超音波内視鏡・自家蛍光内視鏡システムも導入され、ガイドラインに沿った最新の肺癌治療が可能となっています。現在は、特に免疫チェックポイント阻害薬を含む化学療法に対する高齢者進行肺癌の予後因子の検討を行っています。原因不明の胸水貯留症例に対しては、局所麻酔下胸腔鏡検査を行っており、胸水中の腫瘍マーカーと胸膜の肉眼所見の組み合わせによる良悪性疾患の鑑別を行っています。

その他の呼吸器疾患

自然気胸や特発性器質化肺炎の再発を規定する因子に対する研究を行い、学会や論文で発表しています。

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