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疼痛

疼痛を主訴とする泌尿器疾患の代表に尿管結石があります。しかし、側腹部痛や下腹部痛には鑑別の必要な重要な疾患があります。

腎部痛

腰背部疝痛(腎部疝痛)の原因は、結石や凝結塊などによる突然の尿路閉塞機転や、急性腎盂腎炎などの際の腎実質血流増大や浮腫による、腎皮膜の急激な伸展です。
尿管結石の痛みは間欠的に起きます。尿管は常に蠕動しているが、結石の存在部で尿管が収縮すると一時的に尿流が閉塞する。そのため、腎内圧が急激に高まると疼痛が生じます。しかし尿管が弛緩すると尿流が再開して疼痛が軽減します。このような疝痛発作を引き起こす疾患には尿管腫瘍や鎮痛薬乱用や、糖尿病または鎌状赤血球の合併による腎乳頭壊死などもあるので注意が必要です。これらは凝血塊や組織片の脱落により疼痛が生じます。また急激な腎部痛を訴える疾患として腎梗塞があります。腎梗塞は早期に抗凝固療法を施行すれば再開通が可能である。
疝痛発作でない腎部痛でもっとも頻度が高いのは急性腎盂腎炎です。

腎部痛の検査

検尿及び血算、生化学検査

尿路結石は尿中潜血が診断に有用です。しかしdip-stick法では偽陽性も多く、注意が必要です。特に右腹部痛では急性虫垂炎を鑑別することが大切です。一方腹部の炎症が後腹膜に波及し、潜血を呈することもあります。血算、生化学検査においてはWBC、CRP、血清クレアチニンは最低確認していただきたい。WBC、CRPは炎症の存在や重篤度を、血清クレアチニンは尿路閉塞機転による腎機能の確認です。結石に基づく腎盂腎炎で炎症が高度に及びなおかつ水腎症を合併している場合は容易に敗血症(Urosepsis)に移行したりすることをご留意ください。また腎機能障害時には造影検査は施行できません。

画像検査

腎尿管膀胱単純撮影(KUB)が基本になります。尿管結石と紛らわしい石灰化像は骨盤斑(Beckenflecke)、虫垂の石灰化および腸管内のバリウムの残存などがあります。また結石の大半を占めるカルシウム含有結石は基本的に描出されますが、尿酸結石やシスチン結石はエックス線陰性結石です。超音波断層法は水腎症の確認に最適です。また上部尿路や尿管下端であればエックス線陰性結石も描出可能です。排泄性腎盂造影(IP)は尿路の交通性を診断するのみならず分腎機能を明らかにできます。一方CTスキャンはエックス線陰性結石の描出も可能です。また造影CTは腎梗塞の部位診断に有用です。

陰嚢部痛

これはすべて、至急泌尿器科へ紹介して頂きたい。陰嚢部痛で緊急手術の適応になるのは精巣捻転症です。これは6時間以内では手術により精巣は保存されます。そのため陰嚢部痛のある症例は正確な診断を必要とします。しかし、急性精巣上体炎との鑑別も紛らわしいことが多く、泌尿器科医自身も「迷えば開けろ」と上級医より指導されるくらいです。精巣や精巣上体の神経支配は胸髄や腰髄などの上部にあることから、腹痛として訴えてくることも多く、最初内科を受診し諸検査を受けてようやく泌尿器科にまわされて来ることも多いのが現状です。
思春期前後で、明け方などに突然の陰嚢部痛(下腹部痛)を訴えた場合は必ず精巣の触診を行うことが大切です。