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よくあるご質問

  • トイレが近い事を頻尿と呼びます。頻尿とは一般的に一日の排尿回数が8回以上を指します。夜間頻尿については一般的に就寝中に2~3回以上トイレに起きる場合を指します。頻尿の原因は、膀胱の問題の他、尿量自体が多い場合もあり、実際にはかなり多岐にわたります。特に夜間頻尿の方の場合、夜間のみ尿量が多い場合もあります。

    頻尿の診断に際しては排尿記録をつけて頂く場合があります。排尿記録とは、排尿した時間、1日の排尿回数、1回の排尿量、尿意切迫感や尿失禁の有無、飲水量を3~5日程度、記載して頂くものです。

    治療については、「前立腺肥大症」や「過活動膀胱」のページをご参照下さい。もちろん、膀胱炎による頻尿については膀胱炎に対する抗菌剤投与が第一選択になります。また、尿量が明らかに多い場合には水分摂取量やサラダや果物など水分含有量の多い食事摂取の是正が必要な場合があります。
  • 尿が漏れることを尿失禁と呼びます。尿失禁は、大きく分けて運動やくしゃみや咳などの時のみに尿が漏れる「腹圧性尿失禁」と、尿意切迫感に続いて尿が漏れる「切迫性尿失禁」に分かれます。腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方を合併する場合 (混合性尿失禁) もあります。

    上記以外に、膀胱に残尿が大量に残ってしまい頻繁に少量ずつ尿が漏れだすタイプの尿失禁があります。このタイプの尿失禁についてはその原因をきちんと特定して原因に応じた適切な対処をとる事が重要です。

    ご高齢の方の尿失禁に関しては、尿失禁そのものへの対処の他、着衣やトイレ環境の工夫も必要になる場合が少なからずあります。
  • ご高齢の男性の方では「前立腺肥大症」による場合が最も多いと考えられます。一方、女性の方や若年の男性の方の場合には原因の特定が難しい場合も多く、専門的な診療が必要となります。
  • ほとんどすべてのヒトの尿中には極微量の赤血球が混じっています。尿沈渣上、高倍率 (400倍視野) で赤血球が各視野1~2個未満を正常としています。また尿潜血反応は壊れた赤血球から出るヘモグロビンのペルオキシダーゼ反応の程度を見るもので、尿潜血反応陰性または±までを「異常なし」とし、1+以上を「血尿」とすることが多いようです。
  • 腎後性の血尿:泌尿器科が診療する血尿はこちらです。結石や尿路の炎症、悪性腫瘍などが原因になります。血尿の原因を特定できない「特発性腎出血」という病気もあります。腎後性の血尿として、痛みや頻尿等の症状を伴わない無症候性肉眼的血尿は「膀胱癌」の初発症状として重要です。無症候性肉眼的血尿が認められた場合には内視鏡検査を含めた詳しい検査が必要となります。
    腎性の血尿:糸球体腎炎やIgA腎症などで腎糸球体が破壊されて赤血球が変形して壊れて出てくるもので、尿潜血反応が陽性で変形赤血球を認めます。その他の腎の異常による血尿としては腎嚢胞、腎血管筋脂肪腫、腎細胞癌などの腎の良性あるいは悪性腫瘍、腎動静脈瘻や腎静脈うっ血などの腎血管異常、腎外傷、腎結石、腎盂腎炎などがあります。腎の固定が不十分な遊走腎では運動後に血尿が強くなります。
  • 前立腺は男性副性器の一つで、膀胱の直下にあり尿道を取り囲んでいます。前立腺は精液の液体成分を作っています。思春期以前はとても小さく、思春期に急激に発育し20歳代前半にかけて20cc程度まで大きくなります。その後は前立腺自体の発育は止まりますが、40歳代以降、肥大する方向に向かう方と萎縮する方向に向かう方とに分かれます。そのような差がなぜ生じるのか、詳しい事はまだ解明途上です。

    前立腺の肥大では、前立腺液を産生する腺組織の肥大の他、前立腺の骨組みである間質の線維組織や平滑筋組織の肥大がおこります。前立腺が肥大すると前立腺全体のサイズが大きくなるだけではなく、前立腺の中を通過する尿道内腔が圧迫されて狭くなるため尿勢低下などの症状が出現します。また、尿を出すときに膀胱に大きな負担がかかります。その結果、膀胱の働きも悪くなります。尿をためる働きが悪くなると頻尿や尿意切迫感などの症状が、尿を出す働きが悪くなると尿勢低下などの症状が出現します。
  • 前立腺特異抗原(prostate specific antigen: PSA)とは本来は精液のなかに存在するタンパク質の一種です。前立腺の病気により本来は精液のなかにあるPSAが血液のなかに混じるので、前立腺の病気の診断に用いられています。PSAが高値を示す病気としては前立腺がん、前立腺肥大症、前立腺炎などが代表的です。この他、長時間自転車などに乗った後など前立腺の病気以外でも上昇する事が知られています。

    PSAは「前立腺がん」の早期診断に非常に有用である事が認知されています。前立腺がんは進行するまで自覚症状をほとんど認めません。根治可能な早期の前立腺がんは、PSAの異常を契機に前立腺生検を行って診断される事が大部分となっています。

    現在、50歳以上の男性 (前立腺がんの家族歴を有する場合には40歳以上) は少なくとも1回、PSA測定を受ける事がすすめられます。

    PSA測定結果が4以上の場合には泌尿器科専門医がおり超音波ガイド下に前立腺生検が可能な施設で診察を受ける事が必要です。

    PSAが4未満の場合、0~1では3年後のPSA測定、1.1以上では1年後のPSA測定がすすめられます。なお、排尿に関する症状が認められない超高齢の方に対する検診目的のPSA測定は議論のある所です。PSA検診の目的は前立腺癌の早期発見・早期治療にあります。一般的に早期前立腺がんは進行が緩徐であり数年間は大きな問題を起こす事は少ないと言われています。このため、超高齢の方では、早期発見によるメリットより早期治療によるデメリットの方が多い場合がありうる点を考慮する必要があります。

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