腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁は咳、くしゃみ、歩行、運動などで尿がもれる尿失禁です。時に、トイレに行くのが間に合わず尿がもれる切迫性尿失禁を合併する場合もあります(混合性尿失禁と呼びます)。成人女性の20~30%の方では程度の差はあれ腹圧性尿失禁が認められるとされています。
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診断について
まず骨盤底筋訓練を実施し、それでも改善が思わしくない場合には、下記の検査を行い、尿失禁手術の適応や方法を検討します。
- パッドテスト(尿失禁の程度を調べる検査)
- 尿流動態検査(膀胱と尿道の働きを詳しく調べる検査)
- 鎖膀胱尿道造影(膀胱と尿道の形を調べる検査)
治療について
- 腹圧性尿失禁の治療:「骨盤底筋訓練」や「薬物療法(スピロペンなどのお薬)」などがありますが、重症な患者さんには短期入院で実施可能な「腹圧性尿失禁手術」を行うことが可能です。
- 混合性尿失禁の治療:「薬物療法(各種抗コリン薬やミラベグロンなどのお薬)が中心になりますが、病状によっては腹圧性尿失禁手術を行うことも不可能ではありません。
腹圧性尿失禁手術について
当科では女性腹圧性尿失禁外来でTVT手術を実施しています。
- TVT手術:局所麻酔後、下腹部2ヵ所と膣1ヵ所を切開し、尿道の裏側に幅1cmの人工テープをU字形に通して尿道を支え、固定します。テープを挿入することで尿道の過度な移動を防ぐことができ、尿もれを防止できます。傷が小さく、術後の痛みも少ないのが長所です。また再発率も低く、効果が長期間持続するというメリットもあります。