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第82回日本循環器学会総会への参加報告~ガイドライン改定~

日本循環器学会は日本の循環器系の学会で最も大きな学会です。昭和10年に『日本循環器病学』が発行され、翌年に第1回総会が開催されております。今回の総会は第82回であり、80年にわたる長い歴史を有しています。大森病院循環器内科池田隆徳教授は本学会の理事をつとめており、今回の総会でも当科から約30の演題を発表致しました
今回の総会では7つの改定されたガイドラインが公表されました。その中で心不全ガイドラインの改定についてご報告いたします。過去には急性心不全ガイドラインと慢性心不全ガイドラインが別々に存在しておりましたが、改訂版からは急性・慢性心不全ガイドライン(2017年度改訂版)として統一されました。心不全リスクの段階からその進展ステージにあわせた治療目標を立てる必要があるためで、その進展ステージについて図示されました。
また、左室収縮能の保持された心不全(HFpEF)が近年注目を集めていますが、収縮能の低下した(HFrEF)に加えて、収縮能の軽度低下した心不全(HFmrEF)と収縮能の改善した心不全(HFrecEF)が記載されました。HFpEF症例における標準的な治療法はなく、レニンアンギオテンシン系阻害薬やベータ遮断薬もclass IIbに位置付けられました。近年増加傾向にある高齢者心不全ではHFpEFが多い特徴があり、治療法の確立は重要です。当院におきましてもこうした症例に対する治療法の確立を行うべく治験への参加等も含め研究を進めております。
その他のガイドライン改定のポイントなどにつきましても、地域連携講演会を通じて発信させて頂きたいと考えております。地域連携講演会を通じて活発な意見交換させていただき、患者さんの役に立つ地域連携を展開できればと思います。

※7月18日田園調布医師会館にて第14回大田区地域医療連携カンファレンスを行います。
第一三共株式会社、田園調布医師会との共済になります。
是非多くの先生方のご出席をお待ちしております。

文責:循環器内科 医局長

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大森病院 循環器内科

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