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FFRCTの臨床使用が始まります。

2018年4月に安定狭心症に対する診療報酬改定が行われました。以前は、血管造影で75%の狭窄があれば冠動脈インターベンション(PCI)の適応となりましたが、今回の改定で、PCIが適応となる狭窄度は90%に引き上げられました。75%以上の狭窄病変に関しては、明らかな胸痛を伴うか機能的虚血が証明されないとPCIの適応とはならず、冠動脈に対する虚血の評価が益々重要となってきています。
心臓CTは、カテーテル検査のように冠動脈の解剖学的評価に優れた画像診断法ですが、カテーテル検査時にしか測定出来ない冠血流予備比(fractional flow reserve: FFR)測定を、心臓CT画像から推測する事が近年可能となり、世界中で注目を浴びています(心臓CT画像から算出したFFR: FFRCT)。このFFRCTは、2018年12月1日より日本でも保険収載が決定し、臨床使用が出来る事となりました。使用にあたり厚生労働省から施設基準が制定され、使用できる施設は全国でも150施設と限られておりますが、当院では2017年より準備を開始し、保険収載前の2018年10月より国内でいち早く試験導入を開始しました。この1‐2か月間で既に10例以上の患者さんの診断に用い、臨床に役立てております。
FFRCTの最大のメリットは、心臓CTとの組み合わせにより、カテーテル検査やPCIが必要な患者さんを、正確かつ安全に識別出来る事です。これからも、虚血性心疾患が疑われる患者さんの診断・治療を、迅速かつ正確に行っていきたいと思っておりますので、狭心症が疑われる患者さんがいらっしゃいましたら、是非ご紹介ください。迅速に対応致します。また、循環器内科では循環器内科医師へ直接連絡をつなぐHOT Line (03-5763-6690) もございます。緊急時には、直接ご連絡いただければ、より迅速に対応させて頂きますので、こちらも是非ご利用ください。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
文責:循環器内科 医局長

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