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構造的心疾患に対するカテーテル治療

卵円孔開存症に対するカテーテル治療

卵円孔開存症という心房中隔の交通が残っている病気です。
自然に閉鎖することが多いですが、4人に1人は息をこらえた時などに一時的に左心房と右心房の交通が出現します。この交通を介して脳梗塞が起こる可能性があります。
将来の脳梗塞再発を起こしうるリスクと、本治療のリスクの両者を考えて治療方針を検討します。

この治療は、循環器内科医、脳卒中医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士、放射線技師など多くの人が係わり、ブレインハート(脳—心臓)チームで治療にあたります。

1. 卵円孔開存症とは

左心房と右心房を隔てている心房中隔という壁の一部が蓋のようになっており、交通が残っている病気です。
生まれてすぐ、その交通は自然に閉鎖することが多いですが、4人に1人は息をこらえた時などに一時的に左心房と右心房の交通が出現します。この交通を介して脳梗塞が起こる可能性があります。

将来の脳梗塞再発を起こしうるリスクと、本治療のリスクの両者を考えて治療方針を検討します。

2. 本治療の目的と方法

AMPLATZER Septal Occluder
卵円孔開存症に似た疾患である心房中隔欠損症に対するカテーテル治療は、2005年に日本で承認されました。1980年代から行われている治療ですが、さらなる長期的な成績に関しては未知の部分があります。

卵円孔開存症に関しても、古くから一部の国では閉鎖術の治療は有効だと考えられ、治療が行われておりましたが、2017年に大きな臨床試験で有効性が証明されました。
本邦ではAMPLATZER Patent fossa Ovalis Occluderが本治療に用いられています。

3. 治療の予定

この治療は、循環器内科医、脳卒中医、麻酔科医、看護師、臨床工学技士、放射線技師など多くの人が係わり、ブレインハート(脳—心臓)チームで治療にあたります。カテーテル室や手術室で全身麻酔下、または局所麻酔下で治療を行います。

当日は食事や水分の摂取に制限がありますが、治療時間により異なりますので、主治医・看護師の指示にしたがってください。病棟で点滴を行い、カテーテル室へ移動します。カテーテル室入室後、必要に応じて気管挿管、人工呼吸器管理、静脈点滴、動脈圧モニター、尿道カテーテル留置、経食道エコーを行います。

治療終了後は覚醒後に気管内に入っていた人工呼吸用の管は抜きます。呼吸、循環が安定したのを確認して移動します。状況に応じて、病棟、または集中治療室で心電図、血圧等をモニターします。

治療時間は1-2時間で治療による切開は足の付け根に3㎜程度で済みます。通常、術後は2-3日の経過観察をして、退院が可能です。

治療後、6か月間のアスピリン内服(抗凝固薬を内服している方はそちらを優先させることが多いです)。また、感染性心内膜炎の予防のため、歯科治療などの観血的手技の際は抗生物質の予防投与を行います。
治療に関してご不明な点や、心配なことがありましたら主治医におたずねください。

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