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重曹水の経管栄養カテーテル内洗浄、充填と酢による管理について

2015年4月23日

東邦大学医療センター大森病院
栄養治療センター 鷲澤尚宏

重曹水の経管栄養カテーテル内洗浄、充填と酢による管理について

経鼻胃管や小腸留置カテーテル、または経皮経食道胃管挿入術(PTEG)によって留置された消化管カテーテルの閉塞が問題となっている。
  1. 細くて長いものが多いので、頻度が高い
  2. 交換に手間がかかる
原因はpH低下によるタンパク質のカード化といわれていることから1%重曹水を用いて洗浄する方法が予防と解除の双方で有効であるという報告がある。
  • 炭酸水素ナトリウムsodium hydrogen carbonate
  • 重炭酸ナトリウムsodium bicarbonate
  • 重炭酸ソーダ
1g/100mL、0.1g/10mL
  • 2013年静脈経腸栄養ガイドラインでは文献が紹介されているにとどめられており、推奨項目には存在しない。これは、ポリ塩化ビニルやポリウレタン製のほとんどのカテーテルが対象となっている。
  • 重曹水の身体への悪影響については大量投与で問題とされるが、カテーテル内の充填のみであれば1-5mLで十分であり、問題ない。洗浄に使用するとしても10-20mLを1日に6回であれば問題ない。
一方、胃瘻カテーテルは太くて短いため、カテ内のカード化した栄養剤による閉塞というよりも、カテ壁の細菌や真菌増殖による劣化がテーマとなっている。日本では材質がシリコンゴムであることが理由である。これに対しては、水で洗浄した後に10倍希釈の食用酢を充填することで菌の増殖を抑制できるという報告がある。これも、2013年静脈経腸栄養ガイドラインでは文献が紹介されているにとどめられており、推奨項目には存在しない。
欧州、米国、日本のガイドラインでは水による洗浄が推奨されており、酸(クランベリージュース、酢水)による洗浄は推奨されない。
洗浄前に使用すると酸と接触することでカード化する可能性のある流動食を固めることになるので、閉塞の原因になりうる。したがって、国内でよく行われている食用酢による管理は水によって洗浄した後充填を指すと考えるのが妥当である。