痔核

成因と治療

肛門のまわりは痔静脈という管網が元来発達しています。また同部はうっ血しやすい環境にあります。
病的な状態となると静脈瘤形成します。
病的な状態となると静脈瘤形成します。

排便時の息みが強く加わると(排便時間長い)、元来固定されている肛門の粘膜上皮の固定不良を起こし肛門部にシワのようなたるみを形成します。
これが静脈瘤を伴って脱出してきます。
これが静脈瘤を伴って脱出してきます。

つまり、静脈瘤と肛門周囲の上皮のたるみにより脱出してきたものが痔核(いぼ痔)です。
痔核の治療
- 保存的治療:排便習慣、食生活などの改善と薬物療法(坐剤が主体)
- 手術治療:保存的治療が効果を示さない痔核が対象となります。手術治療は、病態にあわせて次にあげる3つの治療法があります。
結紮切除術(痔核を切除して出血しやすい痔核の根元を縛る方法)
肛門から脱出した痔核(余剰粘膜と静脈瘤)を切り取る方法で、最も一般的な方法です。利点として、どのような痔核にも対応でき根治性(確実性)が高い方法ですが、術後の疼痛が欠点としてあげられます。
また、入院期間約10日程度で、個人差はありますが治癒までは約1ヶ月を要します。
また、入院期間約10日程度で、個人差はありますが治癒までは約1ヶ月を要します。

吊り上げ固定術(PPH法)
痔核そのものには手を加えず、器械を使用して痔核の上の直腸粘膜を全周性に切除するとともに吻合して痔核を吊り上げ元の位置に戻す方法です。 疼痛が軽度で社会に早く復帰できるのが利点ですが、外側に大きく痔核が脱出した方は肛門内に痔核を吊り上げきれないなどの短所もあります(内痔核が主体の人が適応)。入院期間5-7日です。
痔核直上の弛んだ直腸粘膜(斜線部分)を特殊な器械で全周性に切り取ると同時に縫い合わせることで、弛んだ粘膜は肛門内に吊り上げられ、肛門からの脱出をなくします。
痔核直上の弛んだ直腸粘膜(斜線部分)を特殊な器械で全周性に切り取ると同時に縫い合わせることで、弛んだ粘膜は肛門内に吊り上げられ、肛門からの脱出をなくします。

痔核硬化療法
痔核自体に薬剤を注射することにより、痔核を固めて退縮させる方法です。痔核の4ヵ所に注射が必要です。手術療法の中で痛みが一番少ないですが、皮膚近くまで脱出した痔核に注射できないのが欠点です。

手術療法のまとめ