#13 第15回日本早産学会学術集会に参加してきました

久しぶりの青森

 10月8日(土)に青森市で開催された日本早産学会学術集会に参加(座長)してきました。

久しぶりの青森でしたが、スケジュール的に前日入りが必要で、7日午後に5年の臨床実習生の集大成の発表をきいた後に羽田空港に急ぎました。
熱のこもった発表に思わず感心したのもつかの間、当日は12,3℃と11月下旬から12月の寒さの中、コートを着込んで出発しました。
青森の友人から「青森の方が暖かいみたいですね」という連絡をもらいながらの旅でした。
当日は朝9時開場の学会場であり、ねぷたの展示施設であるワ・ラッセは久しぶりに対面する皆さんが思いのほか多く、コロナが少しずつ収束に向かっていることを肌で感じました。

対面での議論の重要性

今回、学術集会を企画運営された弘前大学の先生方は大変なご苦労があったと思います。
全国から少なくとも百数十人以上の周産期医療の専門家が集まり、「早産」という一つの課題に対して熱く議論を交わしたことに感銘しました。
たしからにZoomなどのを用いたWebでの討論もありですが、表情、息づかい、声色などを感じながら議論が行えたことで、「コロナがはやく終息して欲しい」という願いを改めて強く思いました。

早産治療の課題

今回の学会におけるテーマの中で、重点となっていたのが、子宮収縮抑制薬を使用した切迫早産治療を長期間行うのか、短期間で止めるのか、でした。
赤ちゃんのことを思えば、可能な限り早産を避ける、あるいは、早産になったとしても可能な限り早い週数での出生を避けることが望ましいでしょう。
そのために、早産になりそうな状態において、子宮収縮抑制薬が使用されます。
ただし、子宮収縮抑制薬といっても、国によって認可されている薬剤の種類は異なります。
そのため、日本においては現在、リトドリン塩酸塩を使用した切迫早産治療を長期間行うか、短期間で止めるか、という議論が活発に行われています。
実際にある程度の根拠を持って方針を変えるには、臨床試験という方法でエビデンスを出すことが必要です。
しかも、レベルの高いエビデンスを出すには、無作為割付試験という方法が必要です。まだこの点について結論がでるには少し時間が必要だなと感じました。

投稿者:教授

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