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腹膜がん(原発性腹膜癌)について

腹膜がんとは

腹膜がん(原発性腹膜癌)は卵巣がんの類縁疾患、つまり「兄弟」のような病気で、卵巣がんの一種である高異型度漿液性がんと同様の組織型(顔つき)を示しますが、卵巣がんより予後不良であることや、原発不明のがん性腹膜炎と診断されていることも多いなど、卵巣がんと異なる特徴があります。

腹膜がんの治療

腹膜がんは、卵巣や卵管の腫大を来さず、しかもお腹の中の広範囲に腫瘍が存在する状態で発見されることが多いため、治療の原則は進行卵巣がんのそれに準じます。つまり徹底的な腫瘍減量術と化学療法(抗がん剤治療)を行います。適切な手術療法を行わず、いたずらに化学療法のみで治療することは、厳に避けなければなりません。よって、経験豊富な婦人科腫瘍専門医による診断と治療が、極めて大切であると言えます。

腹膜がんは骨盤内の病変よりも上腹部の病変が優勢なため、手術を行う際はこれらを十分に減量するように努めなければなりません。一方で卵巣がんよりも全身状態が悪い状態で見つかることが多く、さらに高齢者に多いので、術前化学療法を積極的に先行させる場合があります。腹膜がんの化学療法は、通常パクリタキセル(T)とカルボルラチン(C)の併用療法(TC療法)を行いますが、分子標的薬であるベバシズマブを上乗せして治療する場合もあります(TC+BEV療法)。

また原発性腹膜癌の初回手術後に、コンパニオン検査であるHRD検査もしくはBRCA検査で陽性と診断された場合には、初回化学療法で寛解が得られた後の維持療法として、PARP阻害剤であるニラパリブ(ゼジューラ)もしくはオラパリブ(リムパーザ)の投与を考慮します。またオラパリブとベバシズマブ(アバスチン)の併用投与を行う場合もあります。

私たちは腹膜がんに関する研究および治療経験が豊富であると自負しておりますので、診断や治療にお困りの場合は、いつでもご相談下さい。

参考文献

Komiyama S, Nishijima Y, Kondo H, et al. Multicenter Clinicopathological Study of High-Grade Serous Carcinoma Presenting as Primary Peritoneal Carcinoma. Int J Gynecol Cancer. 2018;28:657-665.

小宮山慎一、宇田川康博. 婦人科がん-最新の研究動向- 原発性腹膜癌の診断と治療 日本臨床 70増刊4:659-663, 2012.

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大森病院産婦人科
婦人科腫瘍(婦人科がん)分野

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