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臨床研究のお知らせ「特発性肺線維症における抗線維化薬2剤併用療法の有効性に関する多施設共同前向き研究」

この研究の目的及び意義

特発性肺線維症(IPF)は原因不明の難治性肺疾患であり国の難病に指定されています。IPFは肺が線維化していくために肺活量が低下し、息切れなどの自覚症状がみられるようになるため、肺の線維化を抑えることが治療の目標になります。IPFの治療薬として、2008年からピレスパ、2015年からオフェブという抗線維化薬が使用可能になりました。どちらの薬剤もIPFの肺活量の低下を抑えたり急性増悪を予防できる可能性のある薬剤ですが、それでも抗線維化薬1剤のみの治療では予後改善効果は限られています。抗線維化薬1剤では充分な治療効果が得られなかった症例に対する2剤併用療法への期待が高まっており、海外では2 剤併用療法の安全性もすでに報告されています。日本においても通常の保険診療により2剤併用療法は行われますが、2 剤併用療法の有効性や安全性を確認する臨床試験の報告は十分ではありません。
今回ご紹介する臨床研究の目的は、IPFに対する抗線維化薬2剤併用療法における有効性や安全性の評価を行うことです。

この研究の実施体制

この臨床研究は国内多施設で行われます。代表研究施設は日本赤十字社医療センター(代表研究者:呼吸器内科副部長・猪俣稔)です。当院における研究代表者は一色琢磨(呼吸器内科・講師)です。治療開始後の臨床情報(有効性や安全性)に関しての医療情報は代表研究施設に提供されますが、その際にはあなたを特定できる個人情報は削除(匿名化)され、あなたの個人情報が他施設に提供されることはありません。

この研究の方法について

IPFに対してオフェブの内服をされている患者さんに、さらにピレスパの内服を追加し併用療法を行います。併用療法開始後1年間観察を行います。観察期間中は約12週毎に採血検査や肺機能検査等を行いますが、これらは日常臨床に基づくもので、この臨床研究に参加することにより特別な検査を追加することはありません。また、合併症の発生等も含めて何か変化があった場合は通常の診療時と同様に主治医の判断で適宜検査や治療を行います。

この研究の実施期間と参加人数

この研究に参加協力していただく期間は、2剤併用療法開始後1年間となります。この研究には、当院を含め国内多施設が参加しており、本施設を含む11施設で約35名の患者さんの参加を予定しています。なお、この研究全体の登録予定期間・実施期間は2020年1月から60ヶ月の予定です。

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大森病院 間質性肺炎センター

〒143-8541
東京都大田区大森西6-11-1
TEL:03-3762-4151(代表)