感染症免疫学的検査には感染症を引き起こしている細菌やウイルスなどの病原体（抗原）を直接検出するイムノクロマト検査と、抗原が体内に侵入したときに防御反応として産生される抗体を検出することで感染を把握する検査があります。

イムノクロマト検査は5-15分程度で結果報告が可能なため迅速性に優れています。冬季に流行するインフルエンザウイルスをはじめ、RSウイルス、アデノウイルス、マイコプラズマなどは咽頭や鼻腔のぬぐい液から、呼吸器感染症の原因微生物でもあるレジオネラ属菌や肺炎球菌は尿から、下痢を起こすノロウイルス、ロタウイルスなどは糞便より検出することができます。

また、防御反応により体内に産生された抗体は血流にのって感染巣に到達し抗原に結合することで病原性を阻害します（抗原抗体反応）。これらの抗体を測定することにより、B型肝炎や梅毒のような感染症の感染の有無や経過観察を行うことができます。