こころの病について

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あとがき

あとがき
薬物療法の発展により統合失調症が治療可能なものになり、更に世界的には統合失調症をはじめとする精神病の発病前の段階についての研究が進められています。それらの研究によって、若者の約1割以上が精神病様症状を体験していることや、それらの症状が将来の職業や社会生活上の困難を予測しうることや、既に発病前から脳の萎縮などの変化が起こっていることなどがわかってきています。

もちろん発症前の疾患非特異的症状の段階における早期介入については十分な倫理的な配慮がなされることは大切なことです。しかし、実際になんらかの症状に困っていたり、学業を続けることが困難なほどの社会機能の障害が既に見られている、将来を担う若者たちが一度も専門家の見立てを受けることなく取り残され、援助をうける方法も知らされずに、人生のほとんどにわたる障害を残しうる重大な疾患の悪化を待っている状況は看過できないものであります。

早い段階で若い人々を臨床環境に受け入れることが重要であり、そのためには若者自身や家族や学校や職場や精神科以外の医師達に知識を啓蒙し、精神科臨床に少しでも関係のある専門家はスムーズに臨床につなぐ努力をするべきと思われます。また、それぞれの現場でのストレスコントロールや生活指導などの予防戦略もあわせて行われるべきであると考えます。特に教職、学生相談関係者、養護教諭、スクールカウンセラーなどの果たす役割はますます大きくなってゆくものと思われます。

もし精神病の初期症状が疑われたら、早急にその状態は専門家に評価されるべきであり、危険因子や症状について経過観察されるべきであると考えます。それによって、発病を阻止したり、発病した場合でも早急な治療が可能となり、障害を最小にすることができることでしょう。
 このホームページをご覧になって、もっと早く治療に出会いたかったと感じる患者さんもたくさんいらっしゃることと存じます。それは今までの精神医学の至らなかった点であると反省しつつ、同時に病の経験を世界中の精神科医に教えてくれた全ての統合失調症の患者さんとそのご家族に敬意を表します。そして、これから患者さんになる可能性がある全ての若者にこのホームページを捧げます。

参考文献:
このホームページ作成に当たって精神保健世界連合(WFMH)のホームページを参照しました。

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