こころの病について

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スマホ依存について

スマホ依存とは、「スマートフォンの使用を続けることで昼夜逆転する、成績が著しく下がるなど様々な問題が起きているにも関わらず、使用がやめられず、スマートフォンが使用できない状況が続くと、イライラし落ち着かなくなるなど精神的に依存してしまう状態」のことを言います。

スマホ依存に該当する人は、日本では2013年に行われた調査において、成人でおよそ421万人、13~18歳でおよそ52万人と推計され、思春期青年期年代で特に依存傾向が高いということが分かっています。

スマートフォンは身近なものとなっておりゲームやSNSなど便利な機能がつき簡単に楽しみが得られ、興味や関心が刺激され続けた状態となり、さらなる楽しみを求めて長い時間使用したくなり、やがて自分の力ではやめられなくなってしまう依存状態に至ります。依存状態が長引くと深刻な引きこもりに至ることがあり、このためスマホ依存は速やかな治療が必要です。

治療は、外来診察の中で生活リズムを整える方法やご家族の関わり方についてのアドバイス、スマホ依存になる原因や影響についての心理教育を行います。デイケアにおいては生活リズムの調整、集団活動を通したコミュニケーションスキルを高めるトレーニングを、入院においては体調や生活リズムの乱れを整えるサポートをいたします。

1.スマホ依存とは?

スマホ依存とは、「スマートフォンの使用を続けることで昼夜逆転する、成績が著しく下がるなど様々な問題が起きているにも関わらず、使用がやめられず、スマートフォンが使用できない状況が続くと、イライラし落ち着かなくなるなど精神的に依存してしまう状態」のことを言います。
スマートフォンはこれまでの携帯電話以上に機能が増えており、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やGPS(グローバルポジショニングシステム)、オンラインゲームや動画視聴などが手軽に行えるようになっています。
又、スマートフォンは持ち運びが容易であり、様々な場所で使用できます。このためスマホ依存の人は、学校でも布団の中でも一晩中スマートフォンを手放せない状態になってから、家族や周囲の人に気付かれることが多いと言われています。

2.どのような状態のことですか?

  • スマホが手元にないと落ち着かない
  • 一日中スマホに関することを考え、どうしても触ってしまう
  • メールやSNSを必要以上にチェックする(すぐに返信しないといけないと考えてしまう)
  • 何気なくネットサーフィンや動画視聴をしていたら、気付くとかなりの時間が経ってしまっている
  • 気付いた時にはおこづかい以上に課金していた
などがあげられます。

3.どのくらいの人が該当するといわれていますか?

日本において2013年に成人約4000名を対象に行なわれた厚生労働省研究班調査では、およそ421万人がスマホ依存であると推計されています。この数値は2008年の同様の調査と比べ、1.5倍に急増しています。
また2013年に13~18歳の約10万人を対象に行なわれた厚生労働省研究班調査では、およそ52万人がスマホ依存であると推計されています。
2013年に10~25歳の約2600名を対象に行なわれた総務省の調査では思春期青年期年代でスマホ依存傾向が高いという調査結果が出ています。

4.速やかな治療が必要です

依存状態にある人の脳の画像研究では、
  • 自分や相手の感情の読み取りに関わる部分
  • 注意力、記憶力などの認知機能に関わる部分
などが萎縮するといわれています。

脳の発達途上にある思春期・青年期では、さらに影響が大きいと考えられています。その年代でスマホ依存に陥ると、膨大な時間が失われ、豊かな体験や学習する機会を失ってしまいます。
又、脳だけでなく体への影響としては、肥満、視力の低下、腰痛、頭痛の原因となるだけでなく、熱中するあまりエコノミークラス症候群になってしまうこともあり、命にかかわる状態になることがあります。
スマートフォンは身近なものとなっておりゲームやSNSなど便利な機能がつき簡単に楽しみが得られ、興味や関心が刺激され続けた状態となり、さらなる楽しみを求めて長い時間使用したくなり、やがて自分の力ではやめられなくなってしまう依存状態に至ります。依存状態が長引くと深刻な引きこもりに至ることがあり、このためスマホ依存は速やかな治療が必要です。

5.当院で行う治療について

  • 昼夜逆転の生活が長引いて生活リズムを取り戻しにくい
  • 学校や家で楽しいことや得意なことが見つからない
  • 現実の人間関係が苦手
  • 何となくネットの時間が長くなっている
  • 社会に出ていく自信が持てない
など、お困りの方をサポートいたします。

スマホ依存外来

専門医師との診察の中で、生活リズムを整える方法やご家族の関わり方についてのアドバイス、スマホ依存になる原因や影響についての心理教育を行います。また現状の把握と問題の背景を明らかにするために身体的な検査や心理検査を行います。

デイケア

若者を対象としたデイケア「イルボスコ」のプログラムに参加し、「オンライン上」ではない「現実」の世界で「自分の本来あるべき姿」や「新たな可能性」を見つける手助けをいたします。

活動内容:

  1. 集団での活動(バトミントンや卓球、フットサルなどの運動、調理、認知機能ゲーム)
  2. 医師や看護師、栄養士、作業療法士、臨床心理士などによる睡眠、運動、栄養、依存、健康問題、ストレス対処などについての心理教育
  3. コミュニケーション技術のトレーニング

入院治療

  • 昼夜逆転してしまい、自分の力では戻せない
  • スマホにのめりこみすぎて、部屋から出られない
このような方に、治療のために整えられた安心できる環境で、体調や生活リズムの乱れを整えるサポートをいたします。

入院期間:1ヶ月程度
治療内容:

  1. 認知行動療法(スマホ依存を様々な角度から考え、具体的に生活をどのように変えてゆくかを考える)
  2. 睡眠覚醒リズムの是正(睡眠サイクルを整え、体力をつけるためのバトミントンや卓球などの日中の運動を行う)
  3. 心理教育(医師や看護師、栄養士、作業療法士、臨床心理士などによる睡眠、運動、栄養、依存、健康問題などについてのレクチャー)
  4. 諸検査(体力測定、心理検査など)

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大森病院 メンタルへルスセンター イル ボスコ

〒143-8541
東京都大田区大森西6-11-1
TEL:03-3762-4151(代表)