陽性と偽陽性

陽性と偽陽性

 

発症リスクが高いと判断された場合は、専門家による経過観察をすることによって、たとえ発症したとしても、治療のタイミングを逃さず、早期発見・早期治療が可能になり、病状の悪化や社会機能の低下を防げるかもしれない。


またその結果として、入院する程の病状の悪化を防いだり、社会機能の低下による中退や失職を免れる可能性もある。しかし、一方で発症リスクが高いと判断されても、 実際には発症しない人もおり、発症しない人には2種類のタイプの人がいると考えられている。


一つ目は、医療的介入をせず放置していても発症しない場合。
二つ目は、薬物療法や精神療法などの医療的介入により、その治療効果によって精神病の発症が阻止されて、 結果として発病しなかった場合である。


簡単にこの問題をまとめると(図1)及び下記のようになる。
(ケース1)発症リスクが高い状態と判断され、その後発症する場合(陽性)
(ケース2)発症リスクが高い状態と判断されたにもかかわらず、何もしなくても発症しなかった場合 (偽陽性)
(ケース3)発症リスクが高い状態と判断され、治療介入した結果、発症が阻止された場合 (偽偽陽性)


言うまでも無く、(ケース3)は何も治療介入をしなかった場合、(ケース1)に該当するものである。しかし、結果的に発症しなかったという点において、(ケース2)と(ケース3)は同じであり、この2つを厳密に見分けることは大変困難な問題である。
また、精神病前駆状態と言うからには、若干の偽陽性はあるにしてもかなりの確立で発症する状態を同定しなくてはならないという問題もある。


もう一つ診断を困難にしている問題として、患者さんが「何かいつもと違う」「なんとなく調子がでない」と感じていても、なかなか微妙な症状を言語化して表現することができないため、うまく医師に伝えられず、診断が難しくなる場合が考えられる。
発祥の経過と早期介入

東邦大学医学部精神神経医学講座
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