人工透析部

腎臓病は蛋白尿、血尿から始まり、多くは慢性の経過を辿りながら、末期慢性腎不全に至り、透析療法・腎移植を必要とする疾患で、小児~成人まで幅広く起こり得ます。近年、わが国で腎臓病をお持ちの方は1,300万人にのぼるとされ、全国で透析を受けている方は30万人を超え、国民の健康課題として極めて重要な位置を占めています。透析にいたる進行過程を抑制することが、私達腎臓内科の大切な仕事です。東邦大学医学部腎臓学講座は内科、外科、小児科合同の総合腎臓病医療センターを形成するわが国唯一の講座(腎センター)体制を敷いています。蛋白尿から移植までのすべてのCKD(慢性腎臓病の略称)に幅広い知識をもつ腎臓内科医が、腎不全外科医と共に、腎炎ネフローゼの腎生検と治療、保存期腎不全医療の降圧、貧血加療、食事療法を行っております。腎不全の進行を抑制しつつ、止むなく透析に至っても、円滑な血液透析、腹膜透析導入をはかり、透析治療の質を高めることに主眼をおいた治療を行っています。透析の合併症に対する迅速な対応にも努力しております。内科系では古くからの腎臓病食事療法に加えて、慢性腎臓病における体液異常の関与と介入治療、腹膜機能、腹膜血液併用透析の有用性の検討、移植患者の生活習慣病や移植腎病理における拒絶反応の病理や再発腎炎の検討を行っています。すなわち、CKD(慢性腎臓病)の各ステージすべての臨床研究を行っております。本年度の特徴としては、新透析室へ移転(2月)し、透析ベッドが増床され、腹膜透析・血液透析併用療法も増加しました。羽田、品川に近く、全国から患者さんが来られるのも当科の特徴です。
研究
内科系では数年来糖尿病性腎症初症、進展機序の検討、血液浄化療法、腹膜透析療法、二次性副甲状腺機能亢進症の臨床研究、移植腎病理における再発腎炎の検討を行っています。すなわち、CKD(慢性腎臓病)の各ステージの臨床研究を行っております。
地域連携への取組み
当センターでは年間約90名以上の血液透析を開始し、約30人以上の方が腎移植を受けています。蛋白尿、血尿の診断から腎疾患の治療、血液・腹膜透析、腎移植までのすべての腎臓病の種類、進行過程、透析方法に対応しています。さらに当院では、2009年から小児腎臓学寄付講座が新たに開設され、小児腎移植で定評のある、宍戸清一郎先生を教授にお迎えし、文字通り、小児から成人まで、蛋白尿から腎移植まで、これまで以上に腎臓病の生涯医療を絶え間なく提供できるようになりました。保存期CKDから血液、腹膜透析、腎移植、シャント管理まで対応可能です。
新透析室について
大森病院の透析室は新7号館に2月16日に移転いたしました。その概要は①3床増床し、18床での入院透析患者さまへの対応を行う②うち隔離透析室1床の整備(感染症対策)③On line HDF(血液ろ過透析)15床の確保④災害時透析医療への対応⑤透析室の患者さんモニターの電子化対策が盛り込まれています。
大森病院では、小児腎不全に対する血液浄化数が多いことも特徴です。小児にはスタッフの重点監視業務が必要で、患者監視モニターの整備も必須です。また多くの成人入院患者さまは合併症あるがゆえの入院加療であり、高齢者も多く、これら不安定な透析状況に対応する監視センターの位置もよくデザインされています。すなわち医療安全対策に重点を置いた設計をいたしました。
On line HDFとは、多量の置換液で血液をろ過する行う方法で、透析液を高度に清浄化して輸注し、その分多くの有害物質の除去が行えるメリットがあります。これにより、より質の高い透析医療の提供が行えます。
さて、首都直下型地震が予測されており、品川区大田区は東京都で一番の震災被害が想定されています。いわゆる災害弱者である透析患者をどう守るか、被災者診療を担う災害拠点病院として自己完結できる災害に強い透析室が必要です。血液透析には絶対欠かせない水、電気の優先供給も今回の設計に組まれております。
血液透析の命綱ともいうべき内シャントの修復は当腎センター外科の移植と並ぶ大きな仕事です。二瓶医師を中心にその任に当たります。内科小児科外科で構成される腎センターの中心的な仕事は血液透析であり、近隣の透析施設のご協力を得ながら心機一転を期す所存であります。
大森病院では、小児腎不全に対する血液浄化数が多いことも特徴です。小児にはスタッフの重点監視業務が必要で、患者監視モニターの整備も必須です。また多くの成人入院患者さまは合併症あるがゆえの入院加療であり、高齢者も多く、これら不安定な透析状況に対応する監視センターの位置もよくデザインされています。すなわち医療安全対策に重点を置いた設計をいたしました。
On line HDFとは、多量の置換液で血液をろ過する行う方法で、透析液を高度に清浄化して輸注し、その分多くの有害物質の除去が行えるメリットがあります。これにより、より質の高い透析医療の提供が行えます。
さて、首都直下型地震が予測されており、品川区大田区は東京都で一番の震災被害が想定されています。いわゆる災害弱者である透析患者をどう守るか、被災者診療を担う災害拠点病院として自己完結できる災害に強い透析室が必要です。血液透析には絶対欠かせない水、電気の優先供給も今回の設計に組まれております。
血液透析の命綱ともいうべき内シャントの修復は当腎センター外科の移植と並ぶ大きな仕事です。二瓶医師を中心にその任に当たります。内科小児科外科で構成される腎センターの中心的な仕事は血液透析であり、近隣の透析施設のご協力を得ながら心機一転を期す所存であります。
紹介時のお願い
医師指定の場合は、曜日を確認していただくか腎センター外来に確認していただき、来院して頂ければ幸いです。緊急の場合はその限りではありません。また、診療時間内外に関わらず、早急な透析療法、外科的処置(ブラッドアクセス再建や経皮的ブラッドアクセス拡張術PTA など)が必要と思われる場合は直接当センター担当医へご連絡下さい。なお当科は専門独立単科ですので、毎日腎臓を専門とする医師(内科あるいは外科医)の当直がございます。
診療実績
血液浄化法