糖尿病と腎臓
なぜ糖がからだに悪いのか?
糖尿病は「おしっこに糖がでる病気」と書きますが、その病気の本体は血管障害です。本来、糖質は3大栄養素のひとつで最も大切なエネルギー源です。しかしなんらかの理由でからだが処理しきれないほどの糖にさらされると、糖が変化していきます。糖は不思議な性質をもっており、たとえばリンゴを置いておくと茶色く変化していきます。これは糖が酸化されて変性したからです。また煮詰めるとキャラメルのように変色して粘性をもつようになります。また体内では蛋白質や脂質とくっついて糖化蛋白質や糖化脂質たるものが形成されます。こういうものがからだの中、特に血管の中で悪さをします。ですからまず「血糖を高くしない。」これが大前提になるわけです。
糖尿病のせい腎症
糖尿病により腎臓の障害がでてきます。「糖尿病性腎症」は透析導入原因疾患の第1位になり、今後も増加傾向です。問題なのは糖尿病になってから蛋白尿がではじめるのに長い期間がかかりますが、蛋白尿がでてから2-3年足らずで末期腎不全に至ってしまいます。そこでわずかな蛋白尿でも検出できるように「微量アルブミン尿」という検査があります。糖尿病の治療は早い段階からきちんと行うことが最良です。糖尿病性腎症の治療は腎保護療法に血糖のコントロールが加わったものとご理解ください。