バスキュラーアクセス診療プログラム

透析療法には「血液透析(hemodialysis: HD)」と「腹膜透析(peritoneal dialysis: PD)」の2種類があります。血液透析は血液を透析回路に運び血液を浄化します。腹膜透析はきれいな透析液を腹腔内に注入し、貯留することで血液を浄化します。どちらも透析を行うための「経路(アクセス)」が必要で、その経路を作製するためには手術が必要です。血液透析を行うための経路を「バスキュラーアクセス」、腹膜透析を行うための経路を「ペリトネアルアクセス」といいます。どちらのアクセスも日々の透析で使用するためトラブルが生じることがあり、定期的なモニタリングが必要です。

バスキュラーアクセス(VA)

血液透析を行うためにはたくさんの血液を透析器に運ぶ必要があります。そのために血液流量の多い太い血管が必要になります。そこで動脈と静脈を手術でつなぎ合わせ、血管を太くします。これを「内シャント」といいます。血管条件が悪い方(もともとご自身の血管が細かったり、少なかったり、頻回の手術により表在の血管が失われてしまった)の場合には人工血管を用いた内シャントやカテーテルを用いたバスキュラーアクセスの作製が必要です。
バスキュラーアクセス(VA)をより良い状態で長く維持していくことは患者さまの負担軽減のみならず、透析効率の維持、生命予後の改善やQOL(生活の質)向上にも貢献します。
近年、透析患者さまの高齢化や長期化、糖尿病の増加により、VAの管理・治療は困難さを増しております。そのため、VA機能のモニタリングが重要であり、その最も大切な役割は、VAを長期間使用できるよう機能不全を起こす前にその予兆を見つけ出し、適切な治療介入を行うことです。
当センターでは豊富な透析治療の経験と実績を生かし、VAに専門的かつ総合的に対応致します。
対象疾患 臨床症状
●シャント作製
●シャント狭窄
●シャント閉塞
●シャント瘤
●シャント感染
●シャント静脈高血圧
●スティール症候群
●過剰血流量シャント
●人工血管血清腫
●脱血不良
●静脈圧上昇
●再循環
●穿刺困難
●シャント肢腫脹
●刺部の発赤など

ペリトネアルアクセス(PA)

腹膜透析を行うためには透析液を出し入れするカテーテルという管を手術によって腹腔内に留置する必要があります。腹腔内に留置されたカテーテルを介して、透析液を注入し一定時間貯留していると、腹膜を介して血液中の老廃物や余剰の水分が腹腔内に移動します。十分に移動した時点で透析液を体外に排出することで、血液が浄化されます。
腹膜透析カテーテルに関連した合併症は大きく分けて2つあります。
 ①カテーテル機能不全(注排液の異常)
 ②感染症(PDカテーテル出口部感染・皮下トンネル感染、PD腹膜炎)
対象疾患 臨床症状
●PDカテーテル留置
●PDカテーテル出口部感染・皮下トンネル感染
●PD腹膜炎
●被嚢性腹膜硬化症
●カテーテル機能不全
●出口部の発赤・腫脹・疼痛・排膿
●腹痛
●注排液困難