お知らせ

マイボーム腺機能不全(MGD)に対するIPL治療(光線治療)を始めました

2020年10月1日
東邦大学医療センター大森病院 眼科
診療部長 堀 裕一
東邦大学医療センター大森病院眼科では2020年10月よりマイボーム腺機能不全(MGD)や後部眼瞼炎に対するIntense pulse light (IPL)治療を開始いたしました。
(近隣の医療機関の先生方へ)適応の患者様がおられましたらご紹介いただけましたら幸いです。宜しくお願い申し上げます。

マイボーム腺機能不全とは

マイボーム腺はまぶたの裏側にある器官で、涙液に含まれる油成分を分泌しています。このマイボーム腺の出口(睫毛の生え際にある開口部)が細菌感染や炎症、加齢などによってつまると、涙液に含まれる油成分のバランスが崩れて、様々な症状(眼の違和感、刺激感、乾燥感等)を引き起こします。これがマイボーム腺機能不全(MGD)です。
これまで、MGDに対しては有効な治療法はなく、眼瞼縁の清拭・温罨法などの古典的な対処療法や、細菌性眼瞼縁などの感染が原因となっている場合には抗菌薬点眼や内服治療を行ってきました。

Intense pulse light(IPL)治療とは

IPLは光線治療であり、皮膚科・美容皮膚科領域で、顔面の「シミ」「そばかす」「ニキビ跡」などに対する治療として以前から行われている治療です。マイボーム腺機能が低下しているまぶたに対しても、まぶたの深部にある血管の炎症を除去し、その光による温度上昇によりマイボーム腺からの油分の分泌を増加させる効果が認められており、MGDに対するこれからの新しい治療として注目されています。

治療の実際

IPLのハンドピース(光を当てる部分、2x3cm程度)を、下まぶたから鼻の部分に当てて、光を照射します。かかる時間は3~4分間程度です。
  • 本治療は、自費診療で行います。
  • 当院におけるIPL治療は、1回8,000円(+消費税)となります。
    この費用には、当日の診察や検査の費用も含まれます。

この治療をうけるには

【医療機関の方へ】
マイボーム腺機能不全や後部眼瞼炎の患者様がおられましたら当科の角膜専門医師(堀、岡島、柿栖)宛または角膜専門外来宛にご紹介ください。初診時に診断および重症度の判定、患者様に応じた治療方針の決定を行います(保険診療)。その後、IPL治療が必要な場合には次回以降の予約で治療を行います。(初診時にIPL治療を行うことはいたしません。)

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大森病院 眼科

〒143-8541
東京都大田区大森西6-11-1
TEL:03-3762-4151(代表)