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患者様の同意について「オプトアウト」

通常、臨床研究は文書もしくは口頭で説明を行い、患者様からの同意(インフォームド・コンセント)を得て行われます。このような方法ではなく、「オプトアウト」方式による同意というものがあります。患者様の意思表示を認識することができる最適な同意取得方法です。臨床研究のうち、「観察研究」において適応されることが多い方法です。たとえば、患者様への侵襲や介入がなく、人体から取得された資料を用いず、診療情報などのデータのみを用いて行う研究については、国が定めた倫理指針に基づき、必ずしも対象となる患者様お一人ずつから直接同意を得るとは限りません。「オプトアウト」方式では、研究の実施についての情報を通知またはweb上で掲示し、患者様に拒否の機会を保障するというものです。

東邦大学医療センター大森病院眼科では、行われる臨床研究はすべて病院の倫理員会で審査され、それを通過しております。当科では診察時に臨床研究に関する包括同意(診療に伴い発生する情報等を今後の医学研究・教育などに利用することに対する同意)を頂いておりますが、倫理委員会を通過した個々の研究については、これに加えて眼科のホームページでその内容を掲示しております(オプトアウト方式)。研究では個人が特定されないよう、十分配慮しております。研究のために自分のデータが使用されることを望まれない患者様は、病棟もしくは外来担当医にその旨をお伝えください。

倫理委員会を通過し実施されている臨床研究を下記に示します。
  1. シルマー試験紙を用いた健常人における涙液中イオンの測定
    倫理委員会番号:A21072
    データ集積期間:2020年1月~2020年12月
    研究期間:2021年12月7日~2023年3月31日
    内容:以前、当科で行った健常ボランティアの方を対象としてガラスキャピラリーによって採取した涙液のイオン分析(課題番号A19045「健常者におけるイオンクロマトグラフィーを用いた涙液中イオンの測定」)の結果を、我々が新しく行う本研究(シルマー試験紙を用いた健常人における涙液中イオンの測定:課題番号A21072)に比較対照として使用し、イオン濃度、採取量、データ再現性について検討する。
  2. マイボーム腺機能不全患者におけるマイボーム腺治療前後の眼表面の変化について
    倫理委員会番号:M20322
    データ集積期間:2020年9月~2021年2月
    研究期間:2021年4月12日~2023年3月31日
    内容:2020年9月~2021年2月までに当科にて、マイボーム腺機能不全の診断で治療を受けた方の診療録(カルテ)から性別、年齢、マイボーム腺および眼瞼の形態評価項目、併用点眼・治療歴、治療前後の検査パラメータ(温度、血流、涙液安定性、自覚症状)、全身疾患の有無のデータを抽出して解析する。
  3. サーマルパルセーション治療および温罨法療法による前眼部の血流と温度の違いについて
    倫理委員会番号:A21020
    データ集積期間:2016年2月~2021年2月
    研究期間:2021年6月29日~2022年3月31日
    内容:2020年9月~2021年2月に当科にて行った「サーマルパルセーションシステム治療」を受けられた患者様のデータを抽出し、以前、当科で行った健常ボランティアの方に対する温罨法の検討(課題番号27067「温罨法前後による眼瞼および結膜の血流と眼表面温度の関係についての検討」、検査実施期間2016年2月~2018年3月)とのデータとの比較を行う。
  4. オルソケラトロジーによる感染性角膜炎の発生頻度と関連因子に関する多施設共同研究
    倫理委員会番号:CM21030
    データ集積期間:2017年9月~2022年1月
    研究期間:2022年1月25日~2022年12月31日
    内容:当科でオルソケラトロジー治療を受けた方の診療録(カルテ)から、オルソケラトロジー処方時の視力、自覚的屈折検査、角膜屈折力、処方レンズの情報(メーカー、ベースカーブ、パワー、直径)、レンズケアの方法と状況、レンズ変更の回数(頻度)と交換理由、年齢、性別、オルソケラトロジー継続期間、および継続中に生じた感染性角膜炎の有無、感染性角膜炎が生じた症例では、その重症度や視機能に及ぼす影響、治療の内容、オルソケラトロジー再開の有無、について抽出して解析する。
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  5. 未熟児網膜症治療後の長期屈折変化と屈折異常の危険因子の検討
    倫理委員会番号:M20308
    データ集積期間:2006年1月1日~2021年12月31日
    研究期間:2021年3月22日~2024年3月31日
    内容:本研究では当院にてROP治療を受けた小児の視機能の長期経時変化を後ろ向きに評価し、早期に発症する屈折異常の危険因子を検討する。本研究結果にて、屈折異常の誘因となりうるROPの治療の影響を理解し、視機能発達を促すための早期の光学矯正介入につなげる。
  6. 健常者のレーザースペックルフローグラフィー(LSFG)データの人工知能(AI)を用いた解析
    倫理委員会番号:A20037
    データ集積期間:2016年12月~2018年12月
    研究期間:2020年7月27日~2022年3月31日
    内容:過去に当科で行った東京蒲田医療センターで実施された臨床研究(UMIN000026778)で取得された既存の検査データを人工知能(Artificial Intelligence以下AI)を用いて、それぞれの背景と眼血流の関係性の検討を後ろ向きに行い、さらにAIによる正常眼におけるLSFGの新たなデータベース構築を模索する。
  7. 人工知能を用いた糖尿病患者におけるレーザースペックルフローグラフィーでの眼血流の評価
    倫理委員会番号:A20035
    データ集積期間:2020年11月~2022年11月
    研究期間:2020年8月13日~2023年3月31日
    内容:糖尿病研究対象者にレーザースペックルフローグラフィー(LSFG)を用いて眼血流を測定し、眼血流の特徴を抽出し、蓄積された正常眼データとの比較を人工知能(AI)を用いて行い、糖尿病対象者の糖尿病網膜症の進行予測や全身の状態との予測を検討する。正常眼データは過去に当科で東京蒲田医療センターで実施された臨床研究(UMIN000026778)で取得された既存の検査データを用いる。
  8. 当院における角膜クロスリンキング(CXL)治療成績の検討
    倫理委員会番号:M21305
    データ集積期間:2018 年 10 月~2021 年 12 月
    研究期間:2022年3月4日 ~ 2025年2月28日
    内容:2018 年 10 月~2021 年 12 月までに東邦大学医療センター大森病院眼科において、進行性のある円錐角膜の患者 診療録(カルテ)から抽出したデータを解析する。
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  9. 近視小児における光干渉式眼軸長角膜厚測定装置の評価
    倫理委員会番号:M22272
    データ集積期間:2022年1月1日~2023年1月31日
    研究期間:2023年3月4日~2026年1月31日
    内容:近視の有病率が増加している昨今、小児の近視を正しく評価し、治療に結び付ける必要がある。本研究では当院小児外来に受診している近視患者の中で、屈折検査、眼軸長検査など治療を後ろ向きに検討し、近視を診断する上での機種の信頼性や小児の調節が機器に与える影響を評価する。本研究結果にて、機器による測定値の特徴や傾向を理解し、内部固視標や測定原理による影響を明らかにすることにより、正確な近視評価につなげる。
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お問い合わせ先

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大森病院 眼科

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