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子供を育てるお父さん、お母さんへ
子育てに完璧なマニュアルというのは存在しません。というのも、子どもはそれぞれ個性を持っており、家庭環境も大きく異なるからです。その中でも子育てしている父母の心を支え、考えていく糧になればと思い、小児科医のことばを選んでみました。
以下抜粋です。
子どもの不安、痛みとどう付き合うか
不安に苦しめられている子どもが、運命への深い信頼を身に付けたおとなに出会う時、子どもの心には、意識的にせよ、無意識的にせよ、自分もそうなりたいという憧れが植えつけられます。それは、その子どもが後に、世界への怯えた態度に働きかけていく上で力づけとなるでしょう
子どもの痛みのあらわれ方は環境によって左右されます。ですから、わたしたちおとなは、おちつきと確信をもって、子どもに寄りそうことが求められます。私たちがパニックにおちいらずに、おちついて事態を受けとめることができれば、そのぶん子どもも、痛みに耐えることができます。不安や動揺、それにたくさんのことばをもちいた同情の表現は、そのまま子どもに伝わり、子どもの痛みの感覚を強めることになります。
母親が自分の意志で、自発的に子どもに向かい合うのでなければ、うまくは行きません。自発的に子どもに向き合うということがあってはじめて、母親は再び自分と子どもの間に適切な境界線を引き、自分の領分を確保することができます。本当の病気の場合を除いて、母親は自分の立てた予定を変えるべきではありません。子どもたちはおなかが痛いといいます。しかし、心の中では、「お母さんは今日、ぼくのことを本当には見てくれていない。」「お母さんはせかせかと働いて、つまらなそうにしている」「ぼくはどうふるまったらいいか、わからないよ」「お母さんは心を閉ざしてしまった」と言っているのです。
十歳になる前の子どもは、心の痛みを意識的に処理することがまだ出来ません。その時大切なのは、子どもの身近にいるおとな自身が、その問題に取り組み、その問題を受け入れ、抑圧したりしていない、ということです。そのようなおとなの姿を見ることが出来れば、子どもは、自分の痛みには何らかの意味があり、いわば一つの課題のようなものなのだ、と漠然と感じるようになります。それらはみな、「人生の大きな呼吸」のなかであらわれては、また過ぎ去っていくものなのです。
子どもを受け入れること
子どもが「自分はあるがままの自分でいいのだ」「何が普通であるかは人によって違う」「人は誰でも自分だけの問題を抱えていて、それと取り組んでいるのだ」という感覚を持てるようにしましょう。
いつも聞き分けなく反抗的にふるまう子ども
毎晩五分間だけ思い浮かべる練習をなさるなら、つまり聞き分けなく暴れまわっているお子さんの姿を心の中に思い浮かべ、思い浮かべたその姿にご自分を重ねようとなさるなら、皆さんはお子さんの内部を覗き込むことができるでしょう。毎晩このような映像を携え眠りにつくなら、日常に生じている事柄の何かが次第に変わっていくことでしょう。なぜなら皆さんは、意識的にというのではなく、むしろ新たな勘によって、身の回りの状況にそれまでとは違った反応を示すようになるからです。
そうなれば、お子さんに話しかけるときの皆さんの口調や音色がいつのまにか変わっていたということが、実際に起こり得ることになるのです。
子どものありのままの姿に注意を向ける事・・・・それは愛情がなければできることではありません。あれこれの評価から自由になったまるごとの関心こそが、子どもの姿や振る舞いに見られる個々それぞれの細部に目を配らせてくれるのです。
子どもを温めること
幼児は周囲の世界に自分をゆだね、周囲の世界との一体感のなかで生きています。
幼児の身体を温めることは、心を温めるのと同じような癒しをもたらします。幼児の身体を心地よくすることは、幼児が周囲の世界に対して共感をもつ助けになります。同様に愛情をもって幼児に接することは、幼児の身体を温め、力づけます。そのような見方をする時、私たちは、症状を単に薬によって抑えるのではなく、病気の経過を和らげつつ、付き添うという事が出来ます。病気という現象は、子どもの体力を力づけ、調和をもたらすために何かをなすように、という要請として理解されます。
親の断固たる意志
どんな親でも、子どもにはいつもやさしく接したいのです。つねに美しいもの、最善のものを与えたいのです、ところが、現実には、子どもたちはますます不幸に、不機嫌に、不満そうになっていきます。その理由とは、子どもたちが、自分たちを支えてくれる「断固たる意志」に出会えないからなのです。もし母親がここで態度を変えて、母と子の関係の中に「おとなの確かな意志」を働かせるなら、それによって子ども本来の欲求が満たされることになります。これには多くの場合、一時的な「危機」がともないます。しかし、その危機をくぐり抜けたとき、その成果は子ども自身の中にあらわれます。この危機を耐え抜く価値は十分にあるのです。
以上のような方法を実行するとき、もっとも重要な原則は、子どもに頼みこんだり、説明したり、おどしたりするのではなく、もっぱら「行為によって語る」というものです。
参考文献 小児科診察室—シュタイナー教育・医学からの子育て読本
田中耕一郎先生の漢方薬と身近な食材
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- 日本の土壌と文化へのルーツ㊹ アイヌ民族と熊
- 日本の土壌と文化へのルーツ㊸ カカオと悲劇の歴史
- 日本の土壌と文化へのルーツ㊷ イタリア料理
- 日本の土壌と文化へのルーツ㊶ 医食同源としての沖縄
- 日本の土壌と文化へのルーツ㊵ 医食同源としての牡蛎
- 高校生と考える希望のための教科書(桐光学園大学訪問授業)
- センスメイキング 本当に重要なものを見極める力
- 日本の土壌と文化へのルーツ㊴ インドのカレーと東洋医学
- 日本の土壌と文化へのルーツ㊳ 広東料理
- 自分の仕事をつくる 西村佳哲 筑摩書房 2009
- 日本の土壌と文化へのルーツ㊲ トルコ
- 経済学者の勉強術: いかに読み、いかに書くか
- 東大エグゼクティブ・マネジメント 課題設定の思考力
- 日本の土壌と文化へのルーツ㊱ スペインの料理
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉟ 中国の“中原”の料理
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉞ チベットの食材
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- 日本の土壌と文化へのルーツ㉜ ウィルス、植物、動物、人の遺伝子
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉛ 種苗管理と野生種、救荒植物
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉚ 土壌微生物と腸内細菌
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉙ 寿司の元祖 熟鮓(なれずし)
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉘ 韓国の食材
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉗ 中国雲南省の食材
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉖ ドイツの食材
- マキャベリ君主論と東洋医学
- 東洋医学が世の中にできること
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉕ 食と薬の違い
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉔ 中南米原産の食材
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉓ 乳製品と東洋医学
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉒ 北方遊牧民族と食、医学への影響
- 日本の土壌と文化へのルーツ㉑ モンゴルの食
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑳ キハダ
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑲ 生薬としての納豆
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑱ 食材の禁忌
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑰ 生薬の“人事”
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑯ 生薬、食材を見分ける眼
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑮ 秋の養生食
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑭ 盛夏の養生食
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑬ 梅雨の養生食
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑫ 春の養生法
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑪ 冬の養生法
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑩ 植物分類学と東洋医学
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑨ 奇妙な生薬 冬虫夏草
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑧ 檳榔子(びんろうし)東南アジアの嗜好品
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑦ 竜眼肉 荔枝(ライチ)
- 子供を育てるお父さん、お母さんへ
- 東洋思想のもつことばの力
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑥ 香辛料 胡椒、生姜など
- 日本の土壌と文化へのルーツ⑤ 塩
- 日本の土壌と文化へのルーツ④ 辛みの香辛料
- 日本の土壌と文化へのルーツ③ 葛・朝鮮人参など
- 日本の土壌と文化へのルーツ② 麦・酒
- 夏バテ、熱中症防止に漢方薬を生かす
- 梅雨の体調不良と漢方
- 日本の土壌と文化へのルーツ① 稲