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東洋医学(漢方・鍼灸)学び方

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東洋医学が世の中にできること

東邦大学医学部
東洋医学研究室
田中耕一郎

『中医臨床』という雑誌があります。
多くの東洋医学の臨床の関わる方が購読されている雑誌です。
内容は、「どう治すか」という治療に関わるものが多いのですが、今回は一味違う特集がありました。

それは、「東洋医学の社会への働きかけ」という観点です。

仙道正四郎先生が、提起されている興味深い視点をご紹介させて頂きます。

社会への健康意識の浸透

「医療にかかわる人だけでなく一般の人も皆が東洋医学的な発想の恩恵を被ることができる社会になってほしいとおもいます。」
「体質の違いとか体の中をめぐるものといった東洋医学の用語が日常生活や学校のなかで自然に出てきて、それがお母さんたちにも自然に溶け込んでいて、子どもの育て方や日々の生活のなかに当たり前に活かされているような社会になればいいなという夢があります。そうなれば世の中はだいぶ変わるはずです。」1)
中国では、小学校で東洋医学の講演活動も行われているようです。

今後の看護師の役割

「漢方薬による治療ということではなく、日常の療養にかかわるところに発言権をもっている看護師に東洋医学では生理的な仕組みをこんなふうに考えていると知っていただくだけでも、随分と医療現場が違ってくると思います。」1)
高齢化、医学知識の進歩に伴う専門分化に対して、統合のための総合診療のスタンスが大きくなってきています。今後一層、看護師の役割は非常に大きくなってくるでしょう。どのような形で、健康度をあげるための新しい風を吹かせることができるのか?が具体的な大きな課題です。

健康度をあげる

「治療ではなく生活に活かせる東洋医学の健康観を提供したいということです。私の話を聞いて自分でなにかを実践することによって病院に行かなくても済むようにしてもらいたいですね。」1)
「そして生きること・生かされていることへの気付きを通して、死なない生活ではなく、活き活きと「生きているための生活」の視点を育ててもらいたいと思っています。もちろん病気にならない」「病気になったら治す」ということは大事だけれども、それだけではない生き方が、東洋医学をやっていれば見えてくるのです。」
東洋医学の理想的な部分もまた、実際の日常においてどれぐらいの役割が果たせるのか?東洋医学は試されているように思います。私たちも、先達の方々に倣い、一層の努力をして参りたいと思います。

参考文献

1)仙道正四郎:ニッポンの中医臨床,中医臨床 149,2-12,2017