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マキャベリ君主論と東洋医学

東邦大学医学部
東洋医学研究室
田中耕一郎

マキャベリの『君主論』という1532年に書かれた本があります。
弱肉強食時代のルネッサンスのイタリアを舞台に、生き抜くために君主は何をすべきか?どうあるべきか?という事が実践的に書かれています。マキャベリは暴君の代名詞になることもありますが、君主ではなく、フィレンツェの外交官です。
マキャベリは、フィレンツェを周辺強国から守るために、公務に奔走します。しかし、政権の交代とともに職を追われ、拷問を受け、国外へと追放となります。『君主論』は、イタリアの復活と、自分自身の叡智をかけて、この書を記したとされています。
東洋医学の理論書である『黄帝内経』には、「心は君主」と書かれています。東洋医学の心(しん)とは血液の循環を行うポンプ機能としての心臓、血管以外に、中心的な精神活動を統括する機能を有していると考えられています。
東洋医学的に言えば、君主とはそれぞれの人に宿っています。ということは、皆さんも精神・身体の中心に君主を有しているということです。だとすれば、国家に例えられる個々の精神・身体を守るべき役割を担っているのです。
『君主論』は表面的には時代の処世術です。しかし、東洋医学的に読み込めば、人体を守るために、どのような精神で臨めばよいかという事を教えてくれます。またその精神、意志を強めるにはどうしたらよいのかということも示唆されています。というのも、日常ではストレス社会と言われるように、精神的に傷つくことがあります。しかし、それになすがままに自分を貶めてしまったとしたら、どうでしょうか。
では、それに立ち向かうにはどのような方法があるのでしょうか?どのような心構えを有する必要があるのでしょうか?
『君主論』は健全な形でそれに答えています。
東洋医学では心は最終的には喜びによって力を得ます。しかし、同時に苦みによって鍛えられなければならないということを説いています。 東洋医学では、困難は柔軟性を以て受け止め、糧にするものなのです。