診療実績
検査実績
検査 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
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組織診断 | 12,112 | 12,002 | 12,322 | 10,782 | 11,781 | 11,803 | 11,495 | 11,948 |
術中組織診断 | 527 | 513 | 553 | 463 | 422 | 405 | 436 | 449 |
細胞診診断 | 12,303 | 12,380 | 11,323 | 10,381 | 11,063 | 11,186 | 10,454 | 10,439 |
術中細胞診 | 201 | 224 | 267 | 230 | 240 | 198 | 173 | 210 |
免疫抗体法 | 2,663 | 2,736 | 2,764 | 2,260 | 2,915 | 2,403 | 2,375 | 2,997 |
電子顕微鏡 | 368 | 309 | 352 | 222 | 219 | 236 | 255 | 229 |
病理解剖 | 33 | 31 | 12 | 21 | 17 | 11 | 10 | 15 |
剖検率 | 5.6% | 5.5% | 2.3% | 4.2% | 3.4% | 2.5% | 2.2% | 3.3% |
病理診断科は本院病院病理部、および医学部病院病理学講座ならびに病理学講座との密接な連携のもと、当院における病理診断全般(組織診断、細胞検査および剖検)を行っています。病理診断は病気の最も確実な診断方法であり、「最終診断」ともいわれます。多くの疾患において、治療方針を決める上で重要な情報となります。病理診断部門の充実度が病院の実力を反映するといっても過言ではありません。
1.組織診断
内視鏡検査や手術などによって摘出された組織から、顕微鏡観察を行うガラス標本(プレパラート)を作製します。ガラス標本完成までには固定、包埋、薄切、染色など多くの工程を経ますが、いずれも専門的知識に裏付けられた技術が要求されます。手術中に短時間のうちに組織・細胞診断を行う術中迅速診断は、病変の拡がりを手術中に確認して、切除の範囲を決定する場合などに役立ちます。標本作製・診断とも熟練を要しますが、手術チームの強力なサポートとなります。
2.細胞診
自然剥離細胞(喀痰・尿等)、エコー下の穿刺吸引細胞診(乳腺・甲状腺・リンパ節等)、婦人科擦過細胞診、液状細胞診(胸水・腹水・心嚢液等)などが対象です。前述の組織診断に比べて材料を採取する際の侵襲が少ないのがメリットであり、かつ多くの情報が得られる検査です。厳しいトレーニングの後、日本臨床細胞学会の試験に合格した細胞検査士が担当します。当部の細胞検査士の多くは国際資格も取得しています。診断は細胞診専門医と細胞検査士とがともに検鏡、合議の上で行います。
3.病理解剖(剖検)
不幸にして患者さんが病院で亡くなられた際、主治医から、患者さんの病理解剖をお願いすることがあります。解剖では生前の診断の妥当性、臨床的な問題点、治療効果などが検討され、医師の資質向上、医療の質の向上に役立てられます。
4.分子病理学的手法を用いた検討
常に新しい研究結果を取り入れて当部では分子生物学の進歩を積極的に日常診断に取り入れています。免疫組織化学的解析では、常に最新の研究結果を調べて、新しい有用な抗体を導入するように努めています。また遺伝子を可視化し形態と対応して検索しうるFluorescent in situ hybridization (FISH)法も、乳癌の診断や病原体の同定に活用されています。
5.病理資料の管理と活用
これまでに当部でなされた病理診断は60万件を超え、病理標本 (ガラス・パラフィンブロック)、写真(カラースライド・デジタル画像)などの資料は膨大なものとなっています。病理資料は原則的に永久保存され、患者さんの転院時の標本複製、がん再発時の初発病変との比較検討などに対応しています。また疾患の研究(症例報告・後方視的研究)のためには病理診断と病理標本とが不可欠です。資料の管理と活用も病理診断科の重要な仕事です。