「がんの病理診断」の特色
1.がん専門病院で多くの症例に携わってきた病理専門医が診断を行っています
東邦大学医療センター大森病院 病理診断科には、
- 最終診断を行う医師が、全員日本病理学会認定の病理専門医である
- がん専門病院で数多くのがんの診療を行ってきた経験豊富な医師がそろっている
というふたつの大きな特色があります。
患者さんにがんと疑われる症状がみられたときに、それが本当にがんなのかどうかを「正確に診断」するうえで、病理診断を行う医師の知識や経験は非常に重要な武器となります。当科のスタッフ一人ひとりが蓄積してきた知見や積み上げてきた実績を生かし、精度の高い病理診断に努めています。
また、ただ一方的に判断を下すだけではなく、病理診断に基づいた個々の患者さんそれぞれにとって最適な治療方法を見出すことも我々の重要な役割のひとつです。患者さんの主治医との緊密なコミュニケーションはもちろんのこと、外科、内科、放射線科など各科の医師が集まって行う「キャンサーボード」(がん治療についての症例検討会)にも参加し、病理診断医の立場からの治療方法の提案などを行っています。
患者さんにがんと疑われる症状がみられたときに、それが本当にがんなのかどうかを「正確に診断」するうえで、病理診断を行う医師の知識や経験は非常に重要な武器となります。当科のスタッフ一人ひとりが蓄積してきた知見や積み上げてきた実績を生かし、精度の高い病理診断に努めています。
また、ただ一方的に判断を下すだけではなく、病理診断に基づいた個々の患者さんそれぞれにとって最適な治療方法を見出すことも我々の重要な役割のひとつです。患者さんの主治医との緊密なコミュニケーションはもちろんのこと、外科、内科、放射線科など各科の医師が集まって行う「キャンサーボード」(がん治療についての症例検討会)にも参加し、病理診断医の立場からの治療方法の提案などを行っています。
2.がんの個別化治療(テーラーメイド治療)の実現に向けて、“分子標的治療”の診断にも力を入れています
当院では、がんの患者さん一人ひとりに最も適した治療を行う「個別化治療(テーラーメイド治療)」を推進しています。その個別化治療において、近年とくに注目されているのが「分子標的薬」を用いた分子標的治療です。
分子標的薬について、下記に簡単に説明します。
分子標的薬について、下記に簡単に説明します。
分子標的薬が適応されるかどうかは、「薬剤の標的となる分子が患者さんの細胞に出現していること」が条件となります。
そこで当科ではそのことを的確に診断するため、最新のシステムを導入し、生物分子学的な観点からの病理診断にも力を入れています。
そこで当科ではそのことを的確に診断するため、最新のシステムを導入し、生物分子学的な観点からの病理診断にも力を入れています。
3.内視鏡手術や乳がんの部分切除などの低侵襲手術のアフターケアもサポートしています
がんの手術を行う患者さんには、できる限り身体への負担が少ない低侵襲な方法で行うことを当院ではモットーとしています。例えば、胃や大腸など消化管のがんには内視鏡的切除や腹腔鏡下手術、肺がんには胸腔鏡下手術、乳がんには乳腺の部分切除などを積極的に行っています。
このような手術では切開や切除の範囲をごく小さくできるため、
このような手術では切開や切除の範囲をごく小さくできるため、
- 手術の傷が小さく、目立たない
- 術後の痛みも少なく、回復が早い
- 入院期間が短縮できる
- 早期の社会復帰も可能
といった多くのメリットがあります。
その一方で、摘出や切除する部位を最小限に抑えている分だけ、「がんをすべて取りきれているか」「リンパ節の転移がないか」ということを、病理組織学的により慎重に調べる必要があります。
当科では手術で切除した組織の切り口や辺縁からたくさんの標本を作り、ひとつひとつ細かく丁寧に病理診断を行っています。術後の追加治療や補助療法などが必要となった場合にも迅速かつ適切な治療を提供できるよう、的確な診断に努めています。
その一方で、摘出や切除する部位を最小限に抑えている分だけ、「がんをすべて取りきれているか」「リンパ節の転移がないか」ということを、病理組織学的により慎重に調べる必要があります。
当科では手術で切除した組織の切り口や辺縁からたくさんの標本を作り、ひとつひとつ細かく丁寧に病理診断を行っています。術後の追加治療や補助療法などが必要となった場合にも迅速かつ適切な治療を提供できるよう、的確な診断に努めています。
4.60万件以上の病理標本などの試料を管理・保存。がんが再発した患者さんの治療もこのデータによりスムーズに
当科がこれまで手がけてきた病理診断は60万件以上に及びます。病理標本などの試料も当然のことながら膨大な数にのぼりますが、当科では原則的にそのすべての試料をきちんと保管しています。
これらの試料は万が一患者さんのがんが再発した場合などの治療に活用されているのはもちろん、さまざまな病気や新しい治療の研究などにも生かされています。
患者さんが転院される場合には、転院先の先生に役立てていただけるよう、標本の複製も行っています。
外来がないため、患者さんと直接お目にかかる機会の少ない診療科ですが、いつも標本の向こうに患者さんの姿を想い浮かべながら診断に取り組んでいます。
すべての患者さんにQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を維持していただけるような最適な治療を提供することを、我々は目指しています。
具体的な病理診断の方法については下記ページをご覧ください。
これらの試料は万が一患者さんのがんが再発した場合などの治療に活用されているのはもちろん、さまざまな病気や新しい治療の研究などにも生かされています。
患者さんが転院される場合には、転院先の先生に役立てていただけるよう、標本の複製も行っています。
外来がないため、患者さんと直接お目にかかる機会の少ない診療科ですが、いつも標本の向こうに患者さんの姿を想い浮かべながら診断に取り組んでいます。
すべての患者さんにQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を維持していただけるような最適な治療を提供することを、我々は目指しています。
具体的な病理診断の方法については下記ページをご覧ください。