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「日本経済新聞6月14日夕刊」で、水野教授の調査結果が紹介されました。

日本経済新聞2010年6月14日夕刊
統合失調症の患者、治療受けるまで「3年以上」2割——厚労省研究班調べ。

受診の遅れ、悪化しやすく

幻覚や妄想が現れる統合失調症の患者で、発症してから治療を受けるまでに3年以上かかった人が2割に達することが、厚生労働省研究班(代表研究者=水野雅文・東邦大教授)の調査で分かった。自覚症状が分かりにくく、正確な診断も難しいことが一因とみられる。治療が遅れると重症になったり治りにくくなったりしているケースが多いと指摘している。

統合失調症は10~20代で発症することが多い。発症後3年以内に適切な治療を受けると日常生活を送れるようになることが多いが、手遅れになると再発を繰り返すなど悪化しやすい。

研究チームは、大学病院など34施設で統合失調症と診断された20~40代の男女156人について、症状が現れてから医療機関で治療が始まるまでの期間を調べた。

77.3%の患者は3年以内に治療を受けていたが、14.3%は発症後3~5年、8.4%は5年以上かかっていた。治療までにかかった期間の平均は約17ヵ月間だった。

28人を追跡調査したところ、治療を早く始めた人ほど症状が改善しやすかった。発症から8ヵ月未満で治療を始めた患者19人では、薬物治療の開始後半年で症状がほとんど無くなった。一方、発症から8ヵ月以上治療を受けなかった患者は改善の効果が小さかった。

調査は医療機関の受診患者が対象。発症しても医療機関にかからない人も多いと考えられ、実際は治療開始は全般に遅れているとみられる。

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