診療科挨拶

各分野の専門家をそろえ、多様な手術を管理
研究・教育も大切に、「医学者」育成に尽力

麻酔科【診療部長】武田 吉正

各分野の専門家をそろえ、年間6,000件の症例に対応

当科は1965年設立の歴史ある診療科で、現在は大森病院で行われる年間およそ1万件の手術のうち6,000件の症例を管理しています。出生前の胎内手術から高難度の心臓手術まで最先端の手術麻酔を経験できることが特徴で、バリエーションに富んだ症例に対応するため科内に循環器麻酔、脳神経外科麻酔、産科麻酔、小児麻酔、区域麻酔、ペインクリニックなどのチームを設置しています。各学会の専門医を持つリーダーたちを中心に医療の提供や若手の育成に努めています。

他院には見られない周術期センターの存在

後期研修医は各チームを周り、まずは満遍なく麻酔について研修をしてもらいます。ジェネラルに研鑽を積んで麻酔科専門医の資格を取得した後、各々の希望によって専門チームへ所属する形になります。
研修においては、当院には周術期センターという特徴的な施設があり、麻酔科だけでなく、外科系診療科や歯科衛生士、看護師、薬剤師などがそれぞれの専門的立場から周術期の患者さんを管理しています。こういった場は多くありませんから、どういった視点で患者を評価すべきかなど、当院で研修を行うことのメリットになるものと考えています。

世界中の患者を治療。研究の醍醐味も感じてほしい

大学病院には臨床、研究、教育という3本の柱があります。当科で研修する場合においても、臨床だけでなく研究・教育にも力を注いでほしいと思います。医療に貢献すべく、当科でも研究が積極的に行われ、その成果の一部はガイドラインに掲載され、健康保険にも収載されています。
臨床では1人の医師が1人の患者さんを治療しますが、研究は1人の医師が世界中の患者さんを治療する結果につながることがあります。若い先生たちにも、そういった研究の醍醐味を味わってもらいたいと考えています。

向いていない人のいない、懐の広い診療科

臨床だけを行う医師ではなく、教育や研究にも関わる医学者を育成していきたいと考えています。日々の臨床の中で感じたことを研究に生かし、今度はそれを臨床にフィードバックする。そして、より良い臨床を自分の力で作っていける医師になってください。
麻酔科は懐が広いので、向いていない人のいない診療科だと思います。緊急手術で頑張る人もいれば、研究の道にまい進する人もいるように、どの医師も麻酔科の中で活躍する場所を見つけることができるはずです。向いている、向いていないと悩まずに、ぜひ入局を検討してください。