研究

臨床では一人の医師が一人の患者を治療します。研究では世界中の患者を救うことができます。世界の医療に貢献することが私たちの願いです。この目標に向かって、研究を行っています。

1.非侵襲的心拍出量測定(臨床研究)

肺動脈カテーテルを用いた心拍出量測定は侵襲性が高く、非侵襲的モニタリングに関心が集まっています。当教室では心電図と酸素飽和度モニターを用い非侵襲的に心拍出量を測定する方法(esCCO: estimated Continuous Cardiac Output、特許取得)を開発し臨床使用しています。2019年大学院生は2名がesCCOの精度評価、追随性評価、輸液応答性評価といった性能評価で学位を取得しています。

2.術後せん妄(臨床研究)

高齢者手術の増加に伴い、術後せん妄が問題となっています。術後せん妄を手術前もしくは発症前に予測する取り組みを心臓血管外科との共同研究で行っています。

3.脊髄神経刺激療法(臨床研究)

脊椎手術後疼痛症候群や複合性局所疼痛症候群といった難治性疼痛を脊髄神経刺激療法で治療する研究を行っています。

4.蘇生時脳保護法(基礎研究、臨床研究)

ラットを用い、蘇生中の治療を研究しています。
A.脳障害のメカニズム
B.蘇生中の脳障害の指標
C.実施可能な脳保護法
D.施行タイミング

私たちは大研医器株式会社の協力を得て脳保護法(咽頭冷却法)を開発しました。
2009年に全国多施設臨床研究を開始し、2014年に咽頭冷却装置は医療機器として認定されました。2015年にガイドライン掲載され、2016年に保険収載されています。更に効率的な施行に向け、研究を継続しています。

※画像:クーデックアイクール