診療科挨拶

地域医療の最後の砦病院として

消化器外科【教授】船橋 公彦

城南地区の「最後の砦病院」として

東邦大学医療センターは1925年に帝国女子医学専門学校として設立以来、90年年以上にわたって大田区を中心に皆さんの健康を守ってきました。
1993年には特定機能病院に承認され、現在では「救命救急センター」、「災害拠点病院」、「地域がん診療連携拠点病院」、「総合周産期母子医療センター」、「東京都小児がん診療病院」として、城南地区の「最後の砦病院」としての責務を担っています。
近くに有する羽田空港もどんどん国際化が推し進められ、湾岸エリアを中心として、大田区も大きな変革期を迎えるとともに当院の責務もより益々その重要度が増してきています。

消化器センター外科の取り組み

消化器センター外科では消化器疾患を専門的立場から診断・治療を行うために、食道・胃外科、肝・胆・膵外科、大腸・肛門外科の3つ専門分野に分けて診療にあたっています。
病病・病診連携など地域とのネットワークをより強化し、治療が難しいと判断された患者さんを積極的に受け入れ、科の枠を超えて共働し、患者に寄り添う医療を実践しています。
最近では、益々進む高齢化と時代のニーズにも対応し、特に「体に優しい低侵襲治療」には力を入れ、地域から信頼される診療科作りに取り組んでいます。

教室が目指す外科医としての医師像

大学病院に来られる患者さんの多くは、一般病院では治療が難しいと判断された方です。地域の「最後の砦病院」として、これらの患者さんに真正面から向き合い、ベストの治療を提供していくことこそが、我々の病院の使命と考えています。内科治療も大きく進歩を遂げてきましたが、進歩を遂げたといってもまだまだ内科的治療には限界があり、そこにはまさに最後の砦病院としての外科医の重要性があると思っています。
ここ20年で外科治療も大きく進歩し、今後益々想像もつかないような進歩があると思います。日々進歩し続ける医療の中で、我々は絶えず新しい技術・知識を習得し、大学病院として先進的な医療を提供していく使命があります。絶えず世界に向けてアンテナを張りながら新しい知識・技術をいち早く習熟し、その利点を最大限に引き出して目の前の患者さんに提供していく姿勢が重要と考えています。
若手にはいろいろ挑戦してもらって多くの経験を積むことで、そこから得たノウハウを自分の財産として積み上げ、日常の診療に役立てて欲しいと思っています。

現状に満足することなく日々考え、その中での「気づき」を大切にし、自分を高めるうえで必要と感じた時にはブレることなく、そのゴールに向けて努力を惜しまず研鑽を積む。これを実行するには、強い意志と実行力が要求されますが、このような姿勢の延長上に、患者さんと真に向き合うことができ、信頼される外科医があるものと考えています。