診療方針

血糖値のコントロール=糖尿病医ではない

当科で扱う疾患は多岐にわたりますが、圧倒的に数が多いのは糖尿病ですので、特に力を入れて診療に当たっています。糖尿病の専門医は、単に血糖値をコントロールできる医師ではありません。生活習慣病ですから、同じ糖尿病でも患者さんごとにみんな違うものです。患者さん、全身を見て、またその背景にある原因まで見据えられないといけません。何がおかしいのか、なぜ血糖値が上がっているのか、どうしてコントロールできないのかといったことまで考えながら、患者さんや病気と向き合う医師を育てていきたいと考えています。

若いうちから実践経験を積めるシステム

若手医師の育成においては、入局2、3年目の先生に初診外来をやってもらうという方式が挙げられます。経験のある医師が患者さんを診て、その後ろで若手が手伝いをするという形が一般的に多く見られますが、当科ではこれを逆にしています。こうすることで限られた時間の中で自分で考え、責任を持って診断から治療計画まで立てていくことになります。もちろんベテラン医師が後ろに控えてはいますが、外来がメインとなる当科での職務を達成するのに最も良い形と自負していますし、若い先生からも「勉強になる」と評価してもらっています。

「東邦大学で解決する」という思いで研究にも勤しむ

当科では研究も盛んに行っていて、国から予算をいただいて推進している研究もありますし、全国区の学会賞を取るような若手も育ってきています。教科書には載っていない問題、上手く解決できていない課題を、「東邦大学で解決する」という思いを持って研究を進めています。私たちの教室からエビデンスを発信して、できればそれを教科書に載せて、多くの医師に参考にしてもらい患者さんに還元していくことがわれわれの務めです。
ただし、強制的に研究に取り組ませるのではなく、入局した先生には必ず希望を聞き、研究に興味を持っている先生には研究の題材を提供できるような体制を整えています。