研究

学術活動

研究内容の主なものとして人工関節の開発と臨床応用があります。
当科では、より生理的な機能が獲得できるように人工肘関節、指関節、膝関節、足関節を独自で開発しています。
脊椎領域では腰椎低侵襲手術に関して脊椎固定術における腰背筋の手術侵襲に関する研究や、頚椎後方手術における低侵襲手術手技の開発・臨床応用・術後評価や、脊柱靭帯骨化症の成因に関する内分泌学的研究を行っています。
その他、変形性股関節症における関節温存手術の適応決定や、骨軟部腫瘍の画像診断法と切除縁の安全域評価、手の先天生疾患に対する手術療法の確立などを行っております。

大学院での研究について

辻 健太郎(レジデント:2016年入局)

大学院では、整形外科疾患に関する基礎研究、臨床研究を行っております。
大学院1年目は、授業を中心に、他科の先生方の研究や論文作成の作法について学習します。
またこの時期に研究内容を決定します。
研究テーマは、最近の動向や世界で行われている研究、臨床での疑問を中心に決めていきますが、最初は戸惑うばかりでした。
当教室では、教授をはじめ、各専門領域の先生方が、様々な研究テーマを提案して下さいます。
臨床研究では、人工膝関節置換術後の患者満足度や関節リウマチの薬物動態について研究しております。
基礎研究では、整形外科疾患における感染症、手術で使用する薬物の副作用、病理解剖などの研究を微生物・感染症教室や病理教室と協力して研究を行っております。
2年目は、臨床から離れ、実際に研究を行います。
日常の診療や手術など病棟業務を離れ、大学にて、試験管を使用した研究やマウス・ラットを用いた動物研究、遺伝子発現の解析等を行います。
実験器具や解析ソフト等も多数あり、研究環境は充実しております。

3,4年目は、その研究結果を、日本整形外科学会をはじめとする多くの学会で発表・論文作成を行っております。
当教室は、自分の興味があり、やりたい研究テーマを尊重して下さり、困った時はいつでも先生方が相談に乗って下さいます。
また、研究に要する時間や費用に関してもできる限り負担をして下さり、ストレスなく研究を行うことができます。
大学院に抵抗のある方も、研究の大変さや大切を実感できる良い機会だと考えます。
臨床経験が遅れると心配される方もいますが、研究を進めながら興味のある手術に参加することもでき、一度足を止めて研究に没頭することも、長い目で見れば良い経験だと感じております。