医療関係者の方へ

医療関係の方へ

がん診療をはじめとする高度医療は、内科医・外科医あるいは各臓器の専門家だけでは成立・完結しない時代になりました。
病理診断、放射線診断・治療、化学療法、緩和ケアなど後方支援の専門家が情熱をもって診療に関わっていることが、地域の先生方から頼りにしていただける病院の条件だと考えます。

病理診断科も医療チームの一員として、常に患者さんの存在を意識して、診断にあたっております。ここでは当科の活動を真菌症とがんの診断を中心にご紹介させていただきます。

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深在性真菌症に関する包括的研究センターとして

当科の特徴の第一は、真菌感染症の病態、疫学、診断および治療に関する包括的な研究を推進している、世界でも極めてユニークな施設であることです。

この活動の一部は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構委託事業「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」の一環として遂行され、深在性真菌症に関する診断の支援ならびに診療に有用な情報を発信しています。

真菌症の病理診断に関するコンサルテーションをご希望の方はご相談ください。

がんの病理診断

正しい病理診断が行われることはがん治療の第一歩です

当院には、がん専門病院で研修し、がんの病理診断に豊富な経験を持つ病理専門医が複数常勤し病理診断にあたっています。

縮小治療は詳細な病理学的診断の上に成り立ちます

内視鏡治療や乳腺部分切除は追加治療の適切な判断が重要となります。当院では断端や脈管侵襲などの詳細な病理学的検索を行っています。

(画像:縮小手術の詳細な検討)

術中迅速診断はがんの手術を強力にサポートします

手術中に凍結切片を作製し即座に病理診断を行うことで、目的とする病変の確認や切除範囲の決定を確実に行うことができます。当院では毎日、病理専門医が術中迅速診断に対応しています。

分子標的治療は病理診断なしには成り立ちません

乳がんや胃がんのハーセプチン治療をはじめとして、近年分子標的治療が癌治療の大きな武器となっています。

この治療の前提として標的分子の蛋白発現や遺伝子増幅を病理組織標本上で証明する必要があります。当院ではHER2蛋白発現・遺伝子増幅検索をはじめ、分子標的治療の病理学的支援に最新のシステムを導入し、積極的に取り組んでいます。

(画像:遺伝子診断PCR)

病理はがん診療の質を向上させます

病理所見を臨床医にフィードバックすることは、臨床医の診断能力向上に寄与します。定期カンファレンスの開催、頻繁な個別のディスカッションなどにより、臨床・病理間のコミュニケーションは良好に行われています。

地域連携行事

他施設との情報共有を念頭に、各種癌取り扱い規約にしたがい記載を標準化、図・写真を添付し、わかりやすい報告を心がけています。

情報の電子化、標本の永久保存等、生涯にわたる地域密着型医療を支えます。細胞診では近隣の医療施設との勉強会を主催し細胞検査士の知識・スキル向上のため平成4年から月1回の勉強会を開催し現在、170回を数えています。

紹介時のお願い

貴院にて病理・細胞診断が行われている患者さんをご紹介いただく場合は、標本(プレパラート)とともに、貴院での病理報告書のコピー等を患者さんにお渡し下さい。以下の項目が記載されていると大変参考になります。