研究

学術活動
循環器、血液腫瘍、内分泌、アレルギーの4分野のサブスペシャリティー研究グループがあります。
循環器班
先天性心疾患、川崎病、肺高血圧症に関する先進的な研究を行っており、学校心臓検診にも積極的に協力しています。先天性心疾患は、新生児科および胸部心臓血管外科と密接に連携し、毎週定期的に合同カンファレンスを開いて治療方針を決定しており、診断と治療に加え、カテーテル治療(動脈管開存や肺動脈弁狭窄症など)も積極的に行い良好な治療成績を挙げています。また成人期に達した先天性心疾患患者様の診療においても循環器内科とともにシームレスな診療を提供しています。肺高血圧症は国内有数の専門施設であり、若年発症の患者さんを中心に多剤併用療法の改善とQOLの向上に務めています。川崎病についても急性期だけでなく遠隔期の冠動脈瘤後遺症治療に当たっています。循環器班の大きな特徴は、小児だけでなく紹介された成人患者さんも積極的に受け入れ診療に当たっています。
血液班
白血病や小児がんなどの悪性疾患から、血友病や血小板減少症などの出血性疾患・凝固障害、先天性溶血性貧血から自己免疫性溶血性貧血などの貧血疾患、再生不良性貧血・小児不応性貧血などの造血不全、免疫不全に至るまで広く診察を行っています。小児血液腫瘍領域では臨床試験に積極的に参加しており、関連各診療科、コメディカルスタッフと協力して集学的総合的な診療に取り組んでいます。また、特定非営利活動法人 日本小児がん研究グループに所属し、多施設とともに協力連携して白血病・小児がん診療を行っています。
内分泌班
成長障害を中心に内分泌疾患の全般に対応しています。特に骨年齢(骨年齢による成人身長、月経開始時期の予測法など)、先天性甲状腺機能低下症(DUOX2遺伝子の新規変異、卵管造影を施行した女性から出生した児の甲状腺機能異常、oligogenisityの関与など)、ストレス時の副腎機能(副腎皮質機能低下症患者におけるストレス時のステロイド補充方法など)に関する研究を主に行っています。
アレルギー班
主に新生児-乳児消化管アレルギーの診療、研究を当院新生児科とも連携して行っています。学外の魚介類アレルギー研究会活動で、魚アレルギー児の予後改善に向けた前方視的な研究を計画しています。妊娠後期の母に投与したプロバイオティクスによる児のアレルギー疾患発症予防効果について、タカナシ乳業研究所、Turku大学と共同研究を行っています。また「新生児期から高年期まで対応した、好酸球性消化管疾患および稀少消化管持続炎症症候群の診断治療指針、検査治療法開発に関する研究」班研究活動、その他「肥満と呼吸機能」や「果物アレルギーによるアナフィラキシー」など、各人が興味を持った分野での臨床研究を積極的に行っていきます。
その他
救急医療については、長年に亘る小児救急医療の要としての立場を背景に、地域医療への貢献を念頭におきつつ、学会活動を通じて子どもの事故防止や救急医療体制の充実の方策を検討してきました。急性循環不全、痙攣重積などの重症例に対する3次救急にも対応しており、小児集中治療を行っています。また2次医療圏における重篤小児調査に協力し、示唆に富む症例を学会や論文で多数報告しています。
上記4分野のスペシャリティー研究の他、神経(痙攣性疾患、神経筋疾患など)、腎疾患(腎炎、ネフローゼ、腎不全、腎移植前後の管理)、消化器疾患(肝胆道疾患、炎症性腸疾患など)など多岐に渡る豊富な症例を学ぶことで、臨床研究を中心に研究も盛んに行われています。