診療科挨拶

大学病院がやるべき3つの柱を軸に、
肺癌、間質性肺炎から睡眠時無呼吸症候群まで

呼吸器内科【教授】岸 一馬

「診療」「研究」「教育」の三本柱

私たち呼吸器内科では「臨床」はもちろんのこと、それ以外にも大学病院の使命として「研究」や「教育」にも力を入れて取り組んでいます。
臨床においては、常時40人から50人の患者さんを抱え、肺癌や間質性肺炎といった大病から、COPDや喘息、睡眠時無呼吸症候群などの身近な疾患まで多彩に診療しています。研究面では、基礎医学講座との共同研究や、さまざまな臨床研究を行っています。教育に関しては、屋根瓦式の教育体制をとり、先輩から後輩へしっかりとした指導を心掛けています。

全国に誇れる2つのセンターによる、専門性の高い治療

国内の大学病院では初めて、間質性肺炎治療をセンター化して行っています。第一人者である本間栄教授をセンター長に、呼吸器内科、外科だけでなく、リハビリテーション科、放射線科、病理など多職種による診療に取り組んでいます。間質性肺炎は一般にはまれな病気ですが、当センターには全国から多くの患者さんが集まってきています。
また、高井雄二郎准教授をセンター長とした睡眠時呼吸障害センターもあり、身近にありながら見過ごされがちな睡眠時無呼吸症候群などの治療を行っています。こちらについても、全国トップクラスの症例数を誇っています。

肺癌の臨床試験の推進

近年、進行肺癌の治療は、分子標的療法や免疫療法により著しく進歩しています。かつては余命1年といわれた予後が、5年生存を期待できるようになりました。さらなる治療成績の向上を目指し、当科では数多くの多施設共同臨床試験に参加しています。実地診療に加えて、臨床試験を行うことも貴重な経験になると思います。

興味のある分野で研究を。バックアップ体制も充実

若い先生には日常診療の中で疑問に思ったことを調べ、さらに詳しく研究し、学会での発表や論文にすることを勧めています。症例数の多い肺がんや間質性肺炎に限らず、呼吸器疾患はいろいろありますので、自分が興味をもった病気に関する基礎あるいは臨床研究に挑戦してもらいたいです。もちろん、その際は私を含め、先輩医師たちがしっかりと指導をしていきます。

幅広い疾患に携わり、臨床力をつけられる場

病棟では5つのグループに分かれ、各グループ長の下に研修医がつく形を取っています。患者さんには今できる最高水準の治療を提供し、それと同時に、若い先生に対してきめの細かい教育を行っています。
当科は、大学病院だからと言って希少な疾患ばかりが集まっているわけではなく、いわゆるコモンディジーズの患者さんも数多くいます。そのため、研修を通じて実地診療の力をつけることのできる優れた施設だと思っています。医局には教育熱心で面倒見のいい先輩医師がそろっていますので、ぜひ当科での研修を検討してもらいたいと思います。