対象疾患
勃起障害(ED)
EDの定義と分類
勃起障害 (erectile dysfunction: ED)とは?
「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。
EDの分類は、国際的なコンサルテーション会議にて、①器質性、②心因性、③混合性に分類されています。
EDの有病率および発症率については、調査方法や対象者の年齢によって変動します。我が国では、2023年に住民基本台帳に基づいた全国規模の疫学調査が実施され、6,228人がエントリーしました。年齢層は、20歳以上を対象として最高齢は79歳でした。その結果、EHS (erection hardness score:勃起の硬さスケール)と呼ばれる勃起の硬さに関する質問票で、グレード2以下が挿入に不十分な硬さであり、このグレード2以下をEDとして解析すると30.9%でした。つまり、日本のED有病率は、30.9%と示されました。これを2020年の国勢調査から得られた日本の年代別人口に合わせると1,401万人になります。この値は、1998年に実施した全国調査での1,130万人から25年経過した2023年は、約270万人増えていることになります。この増加の原因は、超高齢社会になった要因もありますが、20代のED率が上昇したことも今回の調査で判明し、ED増加の一因として考えられています。
また、年代別でのEDの有病率は、50歳以上で約40%、60歳以上で約50%、70歳以上で約60%でした。
まとめると、今回の調査の特徴として、20歳台のED有病率が30歳台や40歳台と比較してやや高いことが判明しました。そして全体的には年齢が高いほどEDの有病率が高くなっていました。
EDのリスクファクターとなる項目を下記に示します。改善することでEDが改善することが報告されています。
「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。
EDの分類は、国際的なコンサルテーション会議にて、①器質性、②心因性、③混合性に分類されています。
EDの有病率および発症率については、調査方法や対象者の年齢によって変動します。我が国では、2023年に住民基本台帳に基づいた全国規模の疫学調査が実施され、6,228人がエントリーしました。年齢層は、20歳以上を対象として最高齢は79歳でした。その結果、EHS (erection hardness score:勃起の硬さスケール)と呼ばれる勃起の硬さに関する質問票で、グレード2以下が挿入に不十分な硬さであり、このグレード2以下をEDとして解析すると30.9%でした。つまり、日本のED有病率は、30.9%と示されました。これを2020年の国勢調査から得られた日本の年代別人口に合わせると1,401万人になります。この値は、1998年に実施した全国調査での1,130万人から25年経過した2023年は、約270万人増えていることになります。この増加の原因は、超高齢社会になった要因もありますが、20代のED率が上昇したことも今回の調査で判明し、ED増加の一因として考えられています。
また、年代別でのEDの有病率は、50歳以上で約40%、60歳以上で約50%、70歳以上で約60%でした。
まとめると、今回の調査の特徴として、20歳台のED有病率が30歳台や40歳台と比較してやや高いことが判明しました。そして全体的には年齢が高いほどEDの有病率が高くなっていました。
EDのリスクファクターとなる項目を下記に示します。改善することでEDが改善することが報告されています。
- 加齢
- 社会経済的要因
- 喫煙および多量飲酒
- 運動不足および長時間の座位
- 糖尿病
- 高血圧および脂質異常症
- 虚血性心疾患
- 慢性腎臓病および腎不全
- 神経疾患(パーキンソン病、多発性硬化症、脳卒中など)
- 炎症性腸疾患
- 薬物:内科疾患で使用頻度の高い降圧薬がEDのリスクを高め、特に利尿薬やβ遮断薬、カルシウム拮抗薬がEDに関連します。また、AGA (androgenetic alopecia:アンドロゲン性脱毛症)の治療薬や抗うつ薬もEDの原因となります。
- 肥満および睡眠時無呼吸症候群
- うつ病
- 歯周病
- 前立腺癌の治療後
EDの診断
問診と身体所見の把握を行います。問診では、EDの原因が器質的や心理的によるものかの鑑別を試みます。EDの発症状況や経過、生活歴や職場での環境、性的パートナーの有無などを聴取します。また、既往歴や喫煙・飲酒の有無なども確認します。
勃起機能の問診票として、SHIM (sexual health inventory for men:男性用性健康調査票)や、IIEF-5 (international index of erectile function-5)があります。
一般的な血液検査以外に、内分泌的検査として、主診断検査として総テストステロンの測定、補助診断検査として遊離テストステロンの測定があり、テストステロン値の評価を行うことが特徴的です。
勃起機能の問診票として、SHIM (sexual health inventory for men:男性用性健康調査票)や、IIEF-5 (international index of erectile function-5)があります。
一般的な血液検査以外に、内分泌的検査として、主診断検査として総テストステロンの測定、補助診断検査として遊離テストステロンの測定があり、テストステロン値の評価を行うことが特徴的です。
EDの特殊診断検査
特殊診断検査を行う場合は、①EDの原因を精査したい場合、②PDE5阻害薬に反応が不十分で原因精査を希望する場合、③EDであることを証明する場合(労働災害の正目など)、④EDではないことを証明する場合(離婚訴訟など)などが挙げられます。
*当院では、陰部動脈の血管撮影、海綿体造影および海綿体内圧測定は行っておりません。
当院で実施している検査は下記となります。
1.プロスタグランジンE1(PGE1)の陰茎海綿体注射 (intracavernous injection: ICI)
ICIは、PDE5阻害薬の効果が不十分で、精査を希望した場合に行われることが多いです。方法は、PGE1を陰茎海綿体内に注射します。つまり、血管性EDかどうかを調べる検査です。陰茎に流入する海綿体動脈と陰茎海綿体が正常であれば、注射後15分以内に正常勃起が誘発されます。注射の方法は、PGE1 5~20μgを生理食塩水1mlに溶解し、片方の陰茎海綿体に注射します。陰茎背動静脈を損傷しないために2時または10時方向に注射することが重要です。正常であれば、30分以上持続する勃起が得られ、5段階のレスポンススコアで評価します。反応が不良な場合は、血管性EDを疑います。
副作用として、勃起が4時間を超える場合があります。その場合は、陰茎海綿体に非可逆的変化をきたすため、陰茎海綿体へα作用薬の注射や外科的処置による脱血が必要となります。
2.夜間勃起現象(nocturnal penile tumescense: NPT)の測定
夜間睡眠時にレム睡眠と一致して、勃起が誘発されます。リジスキャンで、NPTを測定することで心因性EDと器質性EDを鑑別することができます。リジスキャンの測定装置は、本体と2本のループが一体となっており、陰茎の根本と先側にループを装着して就寝します。夜間勃起時の陰茎硬度と陰茎周径の変化量を2か所で同時に測定し、勃起状態を把握することが目的です。陰茎遠位で10分以上勃起状態が持続し、60%以上の硬度を認める場合に正常と判断します。
正常なNPTを認める場合は、心因性EDと診断されます。測定は3晩連続で測定し、測定結果が最も良好な値を採用します。
労働災害としてEDを認定する場合に、リジスキャンによるNPTの測定が必須となっています。また、離婚訴訟で、「EDでないこと」を証明するために、夜間勃起が正常に発現していることを証明する必要があり、リジスキャンは必須の検査となっています。
検査は保険診療では行うことはできず、自費診療となります。入院が必要になるため高額となります。
*当院では、陰部動脈の血管撮影、海綿体造影および海綿体内圧測定は行っておりません。
当院で実施している検査は下記となります。
1.プロスタグランジンE1(PGE1)の陰茎海綿体注射 (intracavernous injection: ICI)
ICIは、PDE5阻害薬の効果が不十分で、精査を希望した場合に行われることが多いです。方法は、PGE1を陰茎海綿体内に注射します。つまり、血管性EDかどうかを調べる検査です。陰茎に流入する海綿体動脈と陰茎海綿体が正常であれば、注射後15分以内に正常勃起が誘発されます。注射の方法は、PGE1 5~20μgを生理食塩水1mlに溶解し、片方の陰茎海綿体に注射します。陰茎背動静脈を損傷しないために2時または10時方向に注射することが重要です。正常であれば、30分以上持続する勃起が得られ、5段階のレスポンススコアで評価します。反応が不良な場合は、血管性EDを疑います。
副作用として、勃起が4時間を超える場合があります。その場合は、陰茎海綿体に非可逆的変化をきたすため、陰茎海綿体へα作用薬の注射や外科的処置による脱血が必要となります。
2.夜間勃起現象(nocturnal penile tumescense: NPT)の測定
夜間睡眠時にレム睡眠と一致して、勃起が誘発されます。リジスキャンで、NPTを測定することで心因性EDと器質性EDを鑑別することができます。リジスキャンの測定装置は、本体と2本のループが一体となっており、陰茎の根本と先側にループを装着して就寝します。夜間勃起時の陰茎硬度と陰茎周径の変化量を2か所で同時に測定し、勃起状態を把握することが目的です。陰茎遠位で10分以上勃起状態が持続し、60%以上の硬度を認める場合に正常と判断します。
正常なNPTを認める場合は、心因性EDと診断されます。測定は3晩連続で測定し、測定結果が最も良好な値を採用します。
労働災害としてEDを認定する場合に、リジスキャンによるNPTの測定が必須となっています。また、離婚訴訟で、「EDでないこと」を証明するために、夜間勃起が正常に発現していることを証明する必要があり、リジスキャンは必須の検査となっています。
検査は保険診療では行うことはできず、自費診療となります。入院が必要になるため高額となります。
EDの薬物療法
勃起障害の薬物療法として、我が国では1999年3月にホスホジエステラーゼ5 (PDE5)阻害薬のシルデナフィルクエン酸塩(バイアグラⓇ)が発売されて以来、EDの第一選択薬は、PDE5阻害薬となっています。
勃起は、陰茎の海綿体平滑筋が弛緩し、動脈が拡張し、多量の動脈血が海綿体洞に流入します。さらに静脈閉鎖機構が働き、流出抵抗が高まることで陰茎内に血液が貯留し、海綿体内圧が上がり勃起を誘発します。この調節をサイクリックGMP (cGMP)が大きな役割を果たしており、PDE5によりcGMPは分解され勃起は消退します。PDE5阻害薬を用いることでcGMPが長時間作用し勃起が持続するのです。しかし、性的刺激や興奮がなければ、PDE5阻害薬の効果が期待できないことを理解しておいてください。
EDに対する薬物療法として、我が国では、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルが処方可能です。それぞれ、国内外での有効性および安全性のデータが報告されており、ジェネリック医薬品もあります。ただし、バルデナフィルの先発品であるレビトラⓇは、販売中止が2022年9月にバイエル薬品から発表され、現在はジェネリック医薬品のみです。そのため、先発品としては、シルデナフィルのバイアグラⓇとタダラフィルのシアリスⓇの2種類となります。
基本的な使用方法として、性交または性的刺激の1時間前に服用します。効果発現の開始時間は、内服後、シルデナフィルは30~60分後、バルデナフィルとタダラフィルは30分後となります。ただし、タダラフィルに関しては、効果持続時間が36時間と長時間作用するので、タイミングを気にせずに服用できる特徴があります。また、食事の影響で、シルデナフィルは吸収・効果の発現が遅延し、バルデナフィルも高脂肪食に影響するので、食事のタイミングも注意する必要があります。
薬剤の用量は、シルデナフィルが25mg・50mg、バルデナフィルが5mg・10mg・20mg、タダラフィルが5mg・10mg・20mgがあります。服薬の用量に関しては担当医と相談が必要です。
PDE5阻害薬には使用禁忌があります。虚血性心疾患で用いる硝酸薬と併用すると血圧低下が起こり生命に危険が及びます。そのため、硝酸薬を内服している場合は、PDE5阻害薬は使えません。また、不整脈で使用する、アミオダロン(アンカロンⓇ)がシルデナフィル、バルデナフィルと併用禁忌となっています。この他、重度の腎機能障害や肝機能障害がある場合も低用量からの開始が必要です。また、65歳以上の高齢者における使用開始用量も注意が必要です。
PDE5阻害薬は全体的に70~90%と高い有効率を示します。しかし、正しい服用方法を行っていないと十分に効果を発揮しません。実際に、服用方法の再教育で約40%の患者で有効となった報告もあります。
勃起は、陰茎の海綿体平滑筋が弛緩し、動脈が拡張し、多量の動脈血が海綿体洞に流入します。さらに静脈閉鎖機構が働き、流出抵抗が高まることで陰茎内に血液が貯留し、海綿体内圧が上がり勃起を誘発します。この調節をサイクリックGMP (cGMP)が大きな役割を果たしており、PDE5によりcGMPは分解され勃起は消退します。PDE5阻害薬を用いることでcGMPが長時間作用し勃起が持続するのです。しかし、性的刺激や興奮がなければ、PDE5阻害薬の効果が期待できないことを理解しておいてください。
EDに対する薬物療法として、我が国では、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルが処方可能です。それぞれ、国内外での有効性および安全性のデータが報告されており、ジェネリック医薬品もあります。ただし、バルデナフィルの先発品であるレビトラⓇは、販売中止が2022年9月にバイエル薬品から発表され、現在はジェネリック医薬品のみです。そのため、先発品としては、シルデナフィルのバイアグラⓇとタダラフィルのシアリスⓇの2種類となります。
基本的な使用方法として、性交または性的刺激の1時間前に服用します。効果発現の開始時間は、内服後、シルデナフィルは30~60分後、バルデナフィルとタダラフィルは30分後となります。ただし、タダラフィルに関しては、効果持続時間が36時間と長時間作用するので、タイミングを気にせずに服用できる特徴があります。また、食事の影響で、シルデナフィルは吸収・効果の発現が遅延し、バルデナフィルも高脂肪食に影響するので、食事のタイミングも注意する必要があります。
薬剤の用量は、シルデナフィルが25mg・50mg、バルデナフィルが5mg・10mg・20mg、タダラフィルが5mg・10mg・20mgがあります。服薬の用量に関しては担当医と相談が必要です。
PDE5阻害薬には使用禁忌があります。虚血性心疾患で用いる硝酸薬と併用すると血圧低下が起こり生命に危険が及びます。そのため、硝酸薬を内服している場合は、PDE5阻害薬は使えません。また、不整脈で使用する、アミオダロン(アンカロンⓇ)がシルデナフィル、バルデナフィルと併用禁忌となっています。この他、重度の腎機能障害や肝機能障害がある場合も低用量からの開始が必要です。また、65歳以上の高齢者における使用開始用量も注意が必要です。
PDE5阻害薬は全体的に70~90%と高い有効率を示します。しかし、正しい服用方法を行っていないと十分に効果を発揮しません。実際に、服用方法の再教育で約40%の患者で有効となった報告もあります。
EDの薬物療法無効例の治療
PDE5阻害薬が使用できない症例や、前立腺癌術後や直腸癌術後などのPDE5阻害薬無効患者が存在します。そのため、下記で説明する方法が存在しますが、当院では実施をしておりません。
1.プロスタグランジンE1(PGE1)の陰茎海綿体注射 (intracavernous injection: ICI)
ICIは、PDE5阻害薬の効果が不十分で、希望した場合に行われることが多いです。方法は、PGE1を陰茎海綿体内に注射します。陰茎に流入する海綿体動脈と陰茎海綿体が正常であれば、注射後15分以内に正常勃起が誘発されます。注射の方法は、PGE1 5~20μgを生理食塩水1mlに溶解し、片方の陰茎海綿体に注射します。陰茎背動静脈を損傷しないために2時または10時方向に注射することが重要です。正常であれば、30分以上持続する勃起が得られます。
副作用として、勃起が4時間を超える場合があります。その場合は、陰茎海綿体に非可逆的変化をきたすため、陰茎海綿体へα作用薬の注射や外科的処置による脱血が必要となります。
*当院では、検査目的のPGE1の陰茎海綿体注射は行っていますが、治療は行っていません。
2.陰圧式勃起補助具
陰茎根部に絞扼リングを装着した後、円筒に陰茎を挿入し、備え付けのポンプで陰圧状態にして勃起を誘発させます。安全で非侵襲的な方法です。2021年10月にVigor2020 (A&HB社)が管理医療機器として承認されています。
3.低出力体外衝撃波治療
体外衝撃波にて血管内皮細胞での一酸化窒素合成酵素(eNOS)や血管内皮増殖因子(VEGF)の誘導を促し、その結果、血管新生や血流改善が認められると考えてられています。
4.陰茎プロステーシス
プロステーシスは、ノンインフレータブルタイプとインフレータブルタイプがあります。ノンインフレータブルタイプは、勃起時の長さに調節したプロステーシスを挿入し、性交時には伸ばした状態で、非性交時には陰茎を曲げた状態にするものです。インフレータブルタイプは、ポンプによって水を移動させることで性交時のみに勃起させることが可能となります。2024年8月にコロプラスト社のインフレータブルタイプが我が国で医療認可を得ました。今後、陰茎プロステーシス挿入術は実施可能となっていきます。ただし、自費診療にて高額であり、デバイス挿入後の感染の問題もあり慎重な対応が必要となります。
1.プロスタグランジンE1(PGE1)の陰茎海綿体注射 (intracavernous injection: ICI)
ICIは、PDE5阻害薬の効果が不十分で、希望した場合に行われることが多いです。方法は、PGE1を陰茎海綿体内に注射します。陰茎に流入する海綿体動脈と陰茎海綿体が正常であれば、注射後15分以内に正常勃起が誘発されます。注射の方法は、PGE1 5~20μgを生理食塩水1mlに溶解し、片方の陰茎海綿体に注射します。陰茎背動静脈を損傷しないために2時または10時方向に注射することが重要です。正常であれば、30分以上持続する勃起が得られます。
副作用として、勃起が4時間を超える場合があります。その場合は、陰茎海綿体に非可逆的変化をきたすため、陰茎海綿体へα作用薬の注射や外科的処置による脱血が必要となります。
*当院では、検査目的のPGE1の陰茎海綿体注射は行っていますが、治療は行っていません。
2.陰圧式勃起補助具
陰茎根部に絞扼リングを装着した後、円筒に陰茎を挿入し、備え付けのポンプで陰圧状態にして勃起を誘発させます。安全で非侵襲的な方法です。2021年10月にVigor2020 (A&HB社)が管理医療機器として承認されています。
3.低出力体外衝撃波治療
体外衝撃波にて血管内皮細胞での一酸化窒素合成酵素(eNOS)や血管内皮増殖因子(VEGF)の誘導を促し、その結果、血管新生や血流改善が認められると考えてられています。
4.陰茎プロステーシス
プロステーシスは、ノンインフレータブルタイプとインフレータブルタイプがあります。ノンインフレータブルタイプは、勃起時の長さに調節したプロステーシスを挿入し、性交時には伸ばした状態で、非性交時には陰茎を曲げた状態にするものです。インフレータブルタイプは、ポンプによって水を移動させることで性交時のみに勃起させることが可能となります。2024年8月にコロプラスト社のインフレータブルタイプが我が国で医療認可を得ました。今後、陰茎プロステーシス挿入術は実施可能となっていきます。ただし、自費診療にて高額であり、デバイス挿入後の感染の問題もあり慎重な対応が必要となります。