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対象疾患

特発性造精機能障害

 男性不妊症の原因としては、造精機能障害が82.4%と最も多いです。また、造精機能障害の中で最も多いものが原因不明の特発性で全体の42.1%を占めています。特発性造精機能障害に対して有効な確立された薬物療法は存在しません。そのため下記の治療を行います。

①非内分泌治療法:ビタミン剤、漢方製剤、サプリメントなどを使用します。

ビタミン類・サプリメント
 男性不妊症では、酸化ストレスが様々な原因で上昇し、精子DNA断片化率が高いことが報告されています。経験に基づいて下記などが使用されています。
ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンC、コエンザイムQ10、L-カルニチン、亜鉛、サプリメント合剤など

漢方製剤
 副作用が少ないことから、男性不妊症に対して漢方は広く使用されます。代表的なものを下記に示します。
補中益気湯、八味地黄丸、牛車腎気丸、柴胡加竜骨牡蛎湯など 

②内分泌療法:男性不妊症における内分泌療法は、下垂体から分泌されるLHおよび FSHに関連し造精機能を高める治療法です。

クロミフェンクエン酸
 2022年4月より不妊治療の保険適用の拡充に伴い、男性不妊の治療薬としてクロミフェンは保険診療で使用できるようになりました。クロミフェンは、選択的エストロゲン受容体調節薬(selective estrogen receptor modulator: SERM)であり、視床下部で拮抗的に結合し、エストロゲンによるネガティブフィードバックを阻害し、視床下部からのGnRH分泌が亢進し、下垂体からのLHおよびFSH分泌が促進され、造精機能を刺激します。血清テストステロン値が低く、ゴナドトロピン値が高値ではない症例にクロミフェンは有効であると報告されています。実際の使用法は、クロミフェン50mgを隔日投与または25mgを連日投与します。

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大森病院 リプロダクションセンター(泌尿器科)

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