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対象疾患

勃起障害を伴う男性不妊症

 平成27年度の全国調査によると、性機能障害が男性不妊症の原因に占める割合は13.5%と第2位でした。性機能障害には、大きく分けて勃起障害と射精障害があり、勃起障害が6.1%、射精障害が7.4%を占めていました。

 挙児を希望するカップルでの勃起障害は、多くが心因性によるものと考えられます。心因性勃起障害の原因は、うつ傾向、不安、パートナーとの関係性があります。発症は、突然であり性交渉に対する意欲が低下します。しかし、マスターベーションや早朝勃起では正常な勃起を認めることが特徴的です。つまり、挙児を目的とした性行為は、精神的ストレスや不安感が関係していると考えられます。特に、妻の排卵日に合わせるタイミング法が心因性勃起障害の原因となる症例を多く経験しています。

 生殖医療ガイラインには、「CQ38 勃起障害を伴う男性不妊症に対してPDE5阻害薬は有効か?」という問いに対して、推奨レベルA[(実施することなどを)強く推奨する]でPDE5阻害薬は、勃起障害を伴う男性不妊症に対して有効であるとされています。平成27年度の全国調査では、勃起障害を伴う男性不妊症に対してPDE5阻害薬を使用し、効果が得られたのは全627例中539例(86%)と高い有効率であったと報告されています。PDE5阻害薬は、陰茎海綿体の平滑筋を弛緩させ勃起を誘発します。PDE5阻害薬には、シルデナフィルクエン酸、バルデナフィル塩酸塩、タダラフィルの3種類があります。PDE5阻害薬の副作用は、頭痛、頭重感、ほてり、紅潮、消化不良、鼻閉、視覚異常がありますが、どれも一過性で軽度のものです。また催奇形性はないとされています。

 2022年4月より、勃起障害を伴う男性不妊症に対するPDE5阻害薬は保険適用となりました。しかし、どこでも保険にて処方できるわけでなく、施設基準など細かい取り決めがなされています。当院は、不妊専門施設なので、保険診療にて勃起障害を伴う男性不妊症に対してPDE5阻害薬を処方することができます。

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