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肺癌(内科部門) :磯部 和順

原発性肺癌は日本人の癌による年間死亡者数の第1位で、予後不良な疾患です。当科では、主に進行期または手術不能な患者さんに対して、抗癌剤治療や分子標的治療や免疫療法や放射線療法や緩和療法を行っています。また、当科では患者の年齢や全身状態をふまえ治療を決定しております。さらに、入院期間を最低限にして出来るだけ在宅へお戻しすることを第一にしています。新規薬剤の導入に際し、まずクリニカルパスを用いた短期入院(約1-2週間)して副作用をチェックし退院後、外来化学療室で治療を継続して行います。

また、近年、肺癌の患者の中でEGFR遺伝子変異やALK遺伝子転座をもつ方がいることが分かってきております。当科では、肺癌診断時に並行して遺伝子検査を行い、その結果で陽性の方には、分子標的薬(イレッサ®、タルセバ®、ジオトリフ®、クリゾチニブ®、アレセンサ®)の投与を行っております。また、遺伝子検査と同様に腫瘍のPDL1の発現を検索し、陽性の方には免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ®、キイトルーダ®)の投与を行っております。当科では、既存肺に間質性肺炎やCOPDがある肺癌の方にも化学療法を行っています。

新しい治療方法を決めるための多施設共同試験に参加しているほか、当科独自の研究を行っております。今後、当科から新しいエビデンスを発信できるように、臨床および基礎研究に取り組みたいと考えております。

現在進行中の肺癌関連の研究

臨床研究

  1. EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者におけるMUC4遺伝子多型とEGFR-TKIによるILD発症との相関性を検証するためのコホート内ケースコントロールスタディー -NEJ022A-(倫理委員会承認番号:27001)
  2. 非小細胞肺癌におけるHER2遺伝子変異の研究(倫理委員会承認番号:27048)
  3. EGFRT790M変異が認められた進行/再発非小細胞肺癌患者における治療実態および予後の調査(後ろ向き観察研究)(倫理委員会承認番号:27051)
  4. 肺線維症合併肺癌における低酸素誘導性因子HIF-1α、VEGF等の発現の検討(倫理委員会承認番号:27087)

基礎研究

  1. EGFR遺伝子変異陽性肺癌におけるBCL2L11の遺伝子多型の観察研究
  2. ALK融合型がん遺伝子陽性肺がんにおける免疫染色およびFISH法の有用性の検
  3. EGFR遺伝子変異を有する進行非小細胞肺癌に対するゲフィチニブ耐性遺伝子変異の研究

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大森病院 呼吸器内科

〒143-8541
東京都大田区大森西6-11-1
TEL:03-3762-4151(代表)
E-mail:resp-med@med.toho-u.ac.jp