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ご挨拶

センター長 高井雄二郎 准教授 センター長 高井雄二郎 准教授
睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome: SAS)患者は本邦で300万人以上と言われており、極めて一般的な疾患ですが、睡眠中のみに生じるため自覚しづらく病識を持ちにくい特徴があります。最近SASは報道にたびたび取り上げられるようになり徐々に世間に認知されてきておりますが、まだまだ潜在患者が多く存在しているのが現状です。

SASの合併疾患として、高血圧、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、精神疾患、耳鼻科疾患など非常に多彩な合併症を持つ場合が多く、小児から高齢者までどの世代においても発症し得ます。そのため様々な施設や診療科と連携をとりながら、個々の患者さんに合わせた対応を取る必要があります。

またSASの主症状として、「日中の傾眠」がありますが、これはSAS特有なものではなく、ナルコレプシーや過眠症、むずむず脚(レストレスレッグス)症候群などでもみられるため、これらも合わせて診療する必要もあります。

これらを総合的に診療できる日本睡眠学会認定施設は全国で82施設、認定医師も422名(2014年4月現在)しかなく潜在ニーズに対して十分な診療体制とは言えません。またそれぞれの施設の窓口となる診療科がばらばらであることから、受診希望する患者さんや紹介医療機関医師は、どの施設のどの診療科に受診すれば良いのか困惑することが多いです。

そこで当院ではこの度、関連する各診療科と連携をとりながらこれらの疾患を統合的にコーディネイトし、地域の患者サービス向上および医療機関との連携強化を図るため、平成26年6月より「睡眠時呼吸障害センター」を開設しました。

振り返ると、当院のSAS診療の歴史は全国の大学病院の中でも古く、15年以上前から呼吸器内科の診療の一環としてSAS診療を行ってきました。始めは十分な検査施設や専門技師もほとんどおらず、外来医師も2人だけで細々とやってきました。平成10年よりSAS治療で最も用いられるCPAP(シーパップ)療法が保険適用となり、患者さんも年々増加し、現在では約700人程度の通院患者さんがおります。

現在の診療体制は呼吸器センター外来の中で行っており、初診は木曜日午前を主体で、最新は毎日再診外来を呼吸器内科や循環器内科で構成される4人の医師で行う体制になっております。またCPAP療法以外の方法として、口腔外科による口腔内装具の作製、小児などに多い扁桃腺肥大によるSASの場合は耳鼻咽喉科で手術の検討、過眠などの睡眠障害が主体の場合はメンタルヘルスセンターでの加療など、関連する各診療科と連携して診療にあたっています。

今後はよりSASおよびその周辺疾患の対応を強化することはもちろんですが、全国的に非常に乏しい医療資源の中で、質の高い専門医療を提供するために、地域全体でそれぞれのもつ機能を整理し役割分担を図っていく必要があります。幸いにして、徐々にSAS検査やCPAP機器を取り扱い可能な施設が増加してきており、これからは当院で地域医療機関から紹介を受けて疾患の精査や方針調整を行い、地域医療機関で対応可能な患者さんには逆紹介を積極的に図るような、「循環型地域医療連携システム」の構築を推進していきたいと考えております。

沿革

診療の方針

お問い合わせ先

東邦大学医療センター
大森病院 睡眠時呼吸障害センター

〒143-8541
東京都大田区大森西6-11-1
TEL:03-3762-4151(代表)
E-mail:resp-med@med.toho-u.ac.jp