医局News

昭和大学原田先生と共著した症例報告について

先日、若手の先生から不明熱患者について相談を受けた際に、血管炎の診断におけるFDG/PET-CTの意義について、以前に昭和大学江東豊洲病院総合内科の原田拓先生と共著させていただいた症例報告を思い出し、うってつけの例として紹介しました。
FDG/PET-CTはがん検診や不明熱の精査に有用な比較的新しい検査です。高額な検査であり、どのような状況で活用すべきか議論がありますが、病歴・診察等の比較的古典的で基本的な技能を駆使した診断が得意な総合診療医も、最新の技術も活用して、様々な手段を組み合わせることが重要であるということのよい例ではないかと思います。(最近では総合診療領域では人工知能を活用した研究が盛んなようです。)

この症例報告の筆頭著者である原田拓先生は、救急外来での忙しい日々の傍、関東を中心に全国の新進気鋭の総合内科医が集うTokyo GIM conferenceを代表世話人として主催され、さらに診断エラー学について日経メディカルの連載でも中心的な役割を果たし、「副作用を診るロジック」「診断エラー学のすすめ」など多数の書籍も執筆されています。

そのような超多忙な環境のなかで、自分自身の経験した症例から得られる教訓を共有するために大変な苦労をされて、この症例報告を執筆される様子を、共著者として見てきました。
その症例報告を、実際に患者さんに役立てるために紹介できたことは、共著者として、症例報告を執筆してきた臨床医として、自分自身のやって来たことにも意味を見出すことができたようで、とても幸せなことでした。
原田先生に改めて感謝したいと思います。
文責: 佐々木 陽典

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