9/18-19に第23回日本病院総合診療学会が開催されました。
9/18-19に第23回日本病院総合診療学会がWeb開催されました。
初日9/18の9:00-10:00まで私は特別企画2 「症例検討から学ぶ診断推論戦略 by JUGLER (Vol.2)」にディスカッサントとして参加させていただきました。1例目は埼玉医科大学総合診療内科の熊川友子先生のご指導のもと、水戸協同病院総合診療科の青山彩香先生が、不明熱として受診したサルコイドーシスの症例について大変詳細にプレゼンテーションしてくださいました。臀部痛という愁訴を病変を示唆する局所症状と捉えるのか非特異的全身症状として捉えるべきか、Review of systemsの陽性所見をどのように有意と判断するのか等、とても勉強になる症例でした。
2例目は東京ベイ・浦安市川医療センター総合内科の松尾裕一郎先生のご指導のもと同院の増田洋平先生が乳癌術後フォローアップ中の患者に生じた転倒後発祥の進行性の高次機能障害・意識障害・嘔吐の症例を提示してくださいました。嘔吐という症状やバイタルサインから第4脳室周囲病変の存在や頭蓋内圧上昇を見抜く志水先生の鋭い診断に感嘆いたしました。「癌の既往のある患者では、常に癌に関連した病態を念頭におくべし!」という、大変シンプルかつ重要なメッセージのある素晴らしい症例提示でした。毎度のことながら志水太郎先生の系統的で鋭い思考プロセスの明快な解説と鑑別診断の広さ、鋪野先生の的確なまとめに感嘆しながら、楽しく過ごしました。
初日9/18の9:00-10:00まで私は特別企画2 「症例検討から学ぶ診断推論戦略 by JUGLER (Vol.2)」にディスカッサントとして参加させていただきました。1例目は埼玉医科大学総合診療内科の熊川友子先生のご指導のもと、水戸協同病院総合診療科の青山彩香先生が、不明熱として受診したサルコイドーシスの症例について大変詳細にプレゼンテーションしてくださいました。臀部痛という愁訴を病変を示唆する局所症状と捉えるのか非特異的全身症状として捉えるべきか、Review of systemsの陽性所見をどのように有意と判断するのか等、とても勉強になる症例でした。
2例目は東京ベイ・浦安市川医療センター総合内科の松尾裕一郎先生のご指導のもと同院の増田洋平先生が乳癌術後フォローアップ中の患者に生じた転倒後発祥の進行性の高次機能障害・意識障害・嘔吐の症例を提示してくださいました。嘔吐という症状やバイタルサインから第4脳室周囲病変の存在や頭蓋内圧上昇を見抜く志水先生の鋭い診断に感嘆いたしました。「癌の既往のある患者では、常に癌に関連した病態を念頭におくべし!」という、大変シンプルかつ重要なメッセージのある素晴らしい症例提示でした。毎度のことながら志水太郎先生の系統的で鋭い思考プロセスの明快な解説と鑑別診断の広さ、鋪野先生の的確なまとめに感嘆しながら、楽しく過ごしました。


同じ頃、研修医の阿部雄一先生は学会デビューながら見事に「亜急性の痺れ・脱力を主訴に来院した高齢発症の関節リウマチの一例」を発表してくれました。見守っていた西江先生も見事な出来栄えに満足したのではないかと思います。

瓜田教授はランチョンセミナー1「便秘診療-病態評価から治療まで-」の座長を務められ、プライマリケア医の立場から病態の理解をどのように治療に繋げるのか等について演者の木下芳一先生にご質問され、聴衆の理解をより深めてくださいました。最後にコメントされた「健常人の直腸にはガスは貯まらない。」というのは私自身にとってもシンプルかつ重要な学びとなりました。

午後は私自身も副代表を務めさせていただいている若手部会執行部の近藤猛先生(代表)、副代表山下先生(副代表)、宮上先生(診断エラー部門リーダー)と特別企画3 「Beginnerのための学会発表から症例報告執筆につなげるTips」というテーマで学会発表を症例報告にするまでのポイントや経験について発表致しました。気の合う仲間と大好きな症例報告について話すということで、打ち合わせの段階から盛り上がりまくり、本番では、HITO病院五十野先生からの「症例報告にしてみたら?という背中を押してくれる指導医が重要」といった素晴らしいチャットコメント等もいただき、とても熱い議論ができました。私は「残念ながら患者さんが亡くなってしまった症例について、お宅に伺って、ご焼香させていただき、ご遺族から同意書に署名をいただいて、思い出話を伺って帰ってきた」というエピソードも紹介させていただきました。症例報告執筆を志す若手医師に私たちの症例報告にかける情熱が少しでも伝われば幸いです。


その後はシンポジウム3 「総合診療医のための研究メンタリング・コーチングスキル by JUGLER」にシンポジストとして参加させていただきました。私は後輩の指導については力不足で失敗ばかりなので、このセッションでの鋪野先生によるメンタリング・コーチングに関する解説や他の先生方の指導のコツ等、聞いていて、とても勉強になりました。


2日目となる9/19は宮崎先生が一般演題18「感染症2」 で座長を務められ、聴衆にとっても勉強になる質問やコメントを随所でお話してくださり、とても勉強になりました。

私は自分自身の失敗談として一般演題29で「アルコール性肝障害があり診断に難渋した寒冷凝集素症の一例」について発表させていただきました。採血手技や検査過程による溶血をどう考えるかや低補体血症について千葉大学の上原先生からも貴重なご質問いただき、座長の原田先生からもありがたいコメントをいただき、貴重な経験となりました。

研修医の伊藤敬先生は私と一緒に経験した症例について自分自身で勉強して「ビタミンD欠乏症による低Ca血症をきたした子宮頸癌患者の一例」を堂々と発表してくれました。私自身もとても勉強になった症例でした。伊藤先生、学会デビューおめでとう!
座長をお務めいただいた新村先生の「栄養障害はちゃんと気づいて治療すれば治る病態である。」という締めのコメントが印象的でした。
座長をお務めいただいた新村先生の「栄養障害はちゃんと気づいて治療すれば治る病態である。」という締めのコメントが印象的でした。


今年度、沖縄から入局してくれた西江先生は一流のClinician educatorらしい視点とわかりやすいプレゼンで一般演題23で「非特異的な初期症状を呈し、意識障害をきたしてから診断に至ったListeria monocytogenes髄膜炎の一例」を発表してくれました。

私も40歳を過ぎ、今回の学会を最後に日本病院診療学会の若手部会執行部を引退することになります。副代表の立場にありながら、体調不良で十分に貢献できなかったにもかかわらず、次期代表の山下先生には「先生は『いいところ取り』でいいんですよ。」と、現代表の近藤先生からは「無理しないで、いてくれるだけで十分ですよ。」と優しく声をかけていただき、本当にありがたかったです。
医局の先生方にも、私のわがままを許していただき、支えていただき、おかげさまで初期メンバーとして4年間活動してきた若手部会として最後になる学会に元気に参加させていただくことができました。
感謝申し上げます。
瓜田先生、皆の写真をたくさん撮ってくださり、ありがとうございます。
医局の先生方にも、私のわがままを許していただき、支えていただき、おかげさまで初期メンバーとして4年間活動してきた若手部会として最後になる学会に元気に参加させていただくことができました。
感謝申し上げます。
瓜田先生、皆の写真をたくさん撮ってくださり、ありがとうございます。
文責: 佐々木 陽典