医局News

研究公正推進セミナーで講演させていただきました。

年度末、医学部で開催された6回に及ぶ研究公正推進セミナーで講演させていただきました。病院病理学 渋谷教授が司会の労を執ってくださいました。

医学部倫理教育の一環として開催が決定した昨年11月に渋谷教授からお話があり、何を話そうかと考えておりました。臨床倫理、医療安全については院長室は連日遭遇する問題ですが、研究倫理についてのセミナーにおいては、何を話すべきか大いに迷いました。
日常的に耳にする「忙しくて研究する時間はない!」という臨床医に対してメッセージを発するべく、働き方改革への対応に追われる現状に合わせて、「勤勉革命」についてお話させていただきました。16世紀の欧州では余暇の多さを厳しく批判した宗教改革が進み、労働時間は年間3,700時間に及ぶ国もあり、産業革命の成果を実社会へと速やかに還元する重要な役割を果たしてきた歴史があります。
ヤン・ド・フリースの文献は読み応えたありました。年間平均労働時間が3,700時間に達した国もあり、労働と生活が一体となっていた当時の社会情勢が伺われました。
本来、やりがいのある仕事として行う研究活動に「労働」としての感覚が侵入すると、研究不正の罠に陥りかねません。まとめはカミュの「形而上学的反抗」から、アカデミアにおける臨床医の労働への向き合い方についてじっくり考えることで、Decent studyを実践したいと大きな目標を設定して終了しました。

参加していただいた先生方、また貴重な機会をいただきました渋谷教授に感謝申し上げます。
文責:瓜田 純久

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